苦手だったあなたへ
「いやぁそれはもちろんですよ。中川さんも、他の保護者の皆様にも、しっかり安心して今後を過ごしていただけるよう、しっかりと紺野には責任を取らせますから。」


お母さんに愛想笑いを浮かべてそう話す校長。


お母さんを見ると、その校長に対して呆れたような冷めた視線を送っていた。


こうして談話が終わって、3人で家路についた。


夜ご飯の支度をするお母さんの手伝いをしながら、お父さんも含めて話していた。


「あれが紺野先生かぁ。真面目でいい人じゃないか。」


「まぁでも、社会的には排除すべき問題行動なんだから、仕方がないわよ。」


「そうだね、私ももう理解してる。高校の卒業式出たらその辺の大学にまた通おうかな。バイトしながら受験勉強していくよ。」


「学費くらい、親が出してあげるわよ。その稼いだお金は自由に使いなさい。」


ほうれん草を茹でながら、ちょっと笑ってお母さんはそう言ってくれた。


完成した料理をテーブルに並べて、3人で手を合わせた。


「2人とも、途中でフランスから帰ってきたけど、仕事の方は大丈夫なの?」


「私の方はきりよくデザインの仕事が終わったから平気。お父さんはわからないけど。」


「とりかかる前だったから特に問題ないよ。1番優先すべきは月葉のことだからな。」
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