苦手だったあなたへ
新しい仕事

紺野side

疲れて家に帰って、ソファーにぐだっと横になった。


いつも月葉が昼寝をしていた場所。


今日客室で会ったとき、元気のなさそうな顔をしていた。


月葉の両親に会ったのは初めてかも……いや、何回かは見たことがあったかもしれない。


とにかく、むやみに誰かを責めるような両親ではないとわかった。


あの様子だと、月葉は両親に叱られたわけでもなさそうだし。


お父さんも、心配するような顔をしていたけど、それでも俺を否定的な目で見ることはなく、むしろ月葉を信じている分俺を信じているような視線だった。


お母さんの方は少し強気なのが口調に表れていたけど、でも月葉のことを大切に育ててきたのだなと1目でわかった。


俺は、何てことをしてるんだろう。


生徒と同居して、交際して、そんなことが社会的に理解されると心のどこかで思っていたんだろうか。


いや、ただ自己満足なだけだな。


これから保護者の方々の前で話さなくてはならない。


1人の大人として、取るべき責任は取らなくてはいけないので当たり前だ。


あぁ、どれだけ白い目で見られるのだろう。


でも、そんなことは全然怖くない。


この先、月葉が苦労しなければ、月葉が辛い思いをしなければ他はどうだっていいのだから。


「どうしよっかな。」
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