苦手だったあなたへ
そりゃそうか、学校に来れるほどのメンタルはさすがの月葉でもなかったみたいだ。


きっといじめられるだろうしな。


また家に帰ってから、ただのスウェットに着替えてコンビニに出向いた。


簡単に食べられるようなものを買って、家に戻る。


しばらくは引きこもろうかな。


俺の人生、社会人2年目にして早くもどん底だ。


郵便受けには珍しく封筒が入っていて、そこには高校の時の同級生の名前があった。


「同窓会のお知らせ?こんなの来るなんて初めてだな……。」


暇になったし、どうせなら行こうかな。


でも、フリーターやってるなんて言ったら笑われそうだけど。


まぁいい。せっかくの機会だし、経営業でもやってる奴いたら雇ってもらおう。


そう軽い気持ちで同窓会当日、会場の居酒屋に向かった。


「おぉっ、龍ちゃん登場でーす!」


「お前そういうのいいからいいから。」


高校時代からクラスの中心にいた俺は、こういう騒がしい奴らとしかつるめなかった。


月葉みたいな子に話しかけてれば、きっと今頃こんな問題も起こさずに終わっていたかもしれない。


だめだ、こんなとこまで来てもまだ俺は月葉のことを考えてしまう。


「とりあえずレモンサワー下さい。」


今日はめっちゃ飲んでやろう。
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