苦手だったあなたへ
「先生のバカ。そんなんで私が引き下がると思ったの?私の気持ちがそんなに小さいものだと思ってたの?」


「そうじゃない。わかるだろ、月葉が心配で……。」


「わかんないよ。心配されるようなことは1つもないから。私は先生と離れる方が辛いよ。」


その言葉が妙に心に刺さった。


「先生、私と立場を入れ替えて考えて。私のことを思ってくれるなら私が1番辛いことを考えて。」


俺が月葉と立場が入れ替わったら……。


きっと、俺が離れていく方が嫌だと思う。


現に、俺自身月葉と離れたくないってずっと思っているから。


「そうだな、確かに離れたくない……かも。」


「その『かも』って何?『離れたくない』でしょ?」


クスクスと笑う月葉を見て、ちょっと安心した。


もっと病んでいないか心配だったから、ここまで立ち直れていたら安心だ。


「わかったよ、卒業したら好きにしていい。でも、お願いだからちゃんとした大学に行ってくれよな。」


「先生、責任感じたくないだけでしょ?」


「それもあるけど、月葉が苦労するのが1番嫌だから。」


『それもあるって、やっぱり自己中め。』とまた月葉が笑顔を見せた。


でも、本当に1番に月葉のことを考えているんだから、それだけはわかって欲しい。
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