苦手だったあなたへ
心機一転
大学受験をするのは結局やめた。


やっぱり、白銀の推薦テストを受けようと思う。


それで、私の予定通りに、白銀大学に進学すればいい。


学校にはたまに出席するようにしていた。


みんな、私を以前とは違って明らかに避けようとするから、それの方が気が楽だった。


たまに、絡んでこようとする人もいたけど、私の特技、スルーを使ってしっかり無視しておいた。


そしてとうとう冬休みも終わり、2月も下旬に入った。


あれ以来、1度も紺野先生には会えていない。


メッセージを送っても、『卒業後に会えなくなってもいいの?』の一点張り。


私のことを心配してくれてるのかもしれないけど、そんなの不要なのに。


先生はまた4月から白銀高校と同じくらいの進学校、桃咲高校で働き始めるらしい。


いい未来が先生に訪れてほしい。私はずっとそのことを願っていた。


「あら、中川さん今日も来てくれたのね。」


私が紺野先生と色々あったとき、職員室で慰めてくれた鈴谷(すずや)先生。


いつも教室にいるのが辛くなった時に、相談室で私の話を聞いてくれるようになった。


「もうそろそろ卒業でしょう?卒業アルバムの写真はもう撮ったと思うけど、文集に載せる文章を書いていなかったでしょ。だからこのマスに納まるように書いてきて。」
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