苦手だったあなたへ
「えぇっ、めんどくさーい。大体何書けばいいんですか?」


「何でもいいの。自分が思っていることとか、自分が感じていることをこの紙に書いてみて。」


「わかりました。でも、難しかったら先生手伝ってね。」


「はいはい、あとこの部分も中川さんに書いてもらいたいの。こっちはクラスページに載せるやつだから。」


中学の卒業式が懐かしいな。


当時から特定の友達がいたわけじゃなかったけど、みんなと仲良く過ごせていたのがいい思い出だった。


ただ、同窓会のお誘いが来たことは1度もないから、誘われないくらい避けられてたのかも。


「中川さん、最近大丈夫?何か困っていることとかない?ほら、結局また白銀大学への進学を選んだでしょう?」


「平気です。紺野先生と最後に話したときに、思っていることを言い合えたので、本当に私の気持ちが整理されました。白銀に頑張って進学すれば、きっと褒めてくれるだろうなって。」


「良かった。本当に仲がいいのね。」


鈴谷先生、本当にいい人だ。


学校にはたくさんの先生がいて、いい出会いも、ちょっと複雑な出会いもあったけど、それが私のメンタルを強くするいい経験になった。


「まだ5時間目だけど帰っちゃう?」


「えっ、授業始まってる!?ホントだ……。じゃあもういいや、帰ります。」
< 119 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop