苦手だったあなたへ
会ったら尚更大変ってこと。


「あれ、月葉やん。買い物終わったの?って、旗本先生?」


私に軽々しく同居がバレそうな口を聞いて、驚いている。


そりゃそうだよね、てか周り見てちゃんと気をつけてよね。


「旗本先生もこの辺なんすか?」


えっ、2人は近所で仲良いみたいなことではなかったの?ただ一方的に旗本先生が知ってただけ?


ならちょっと大丈夫、そう?


「はい。紺野先生、中川さん見ても驚かなかったのに俺見て驚いたのは、中川さんがご近所なことを知っていたからですか?」


うわ、観察力半端ないね。


すごい目の付け所、さすがって感じだけど、今は痛いところをつかれた。


「あはは、そうなんです。たまに会うんです。では失礼します。」


旗本先生は、さっきから私が早く別れようとしていることに疑問を抱いているらしく、危ない。


でもこれ以上一緒にいてぼろが出たらもっと困る。


というわけで、紺野先生の背中を押して家に向かった。


旗本先生が見えなくなったことを確認してからようやく家に入った。


「あのぉ、紺野先生?本当に知らなかったんですか?」


「ん?旗本先生のこと?知らないよそんなに。人と馴れ合うのあんま好きじゃないから。」


は、よく言うよねあの女たらしのチャラチャラ教師め。
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