苦手だったあなたへ
こうして色々ハプニングや腹立つこともありつつ、体育祭がやってきた。


女子はみんなハチマキにメッセージを書きあったりして盛り上がっている。


私はそんなことをする相手がいないんだけど。


「龍ちゃん、『頑張れ』って書いて!」


「ずるぅい。私も!私は先生の名前書いて!」


紺野先生ファンは体育祭当日もすごい。


紺野先生は苦笑いしながら交わしていっている。


ちなみに、うちの学校だけじゃないだろうけど、担任の先生は自分のクラスカラーで統一したファッションをする。


紺野先生はブルーのワイシャツにデニムパンツというラフな服装。


メガネのフレームもよく見ると水色になっている。


ハチマキは女子から無理やり書かれたんだろうな、と見て取れるメッセージに溢れている。


頭には巻かずに首元でゆるーく結んでるところが先生っぽい。


「続いては、3年女子障害物競走です。出場選手は準備の方をお願いします。」


入場門から入ってスタート位置についてからクラウチングスタートの体制に入る。


初めはめっちゃこだわったハードル。


絶妙な高さを意識して飛ぶように身につけたからバッチリ。


と思っていたのもつかの間……。


気がついたら私の視界に移るのは地面の砂だった。
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