苦手だったあなたへ
はぁ、何から何まで、たくさんの人に迷惑かけて本当に申し訳ない。


私なんか、気にしてくれなくていいのに。


「ハードル、なんで引っかかったのか月葉自身もわからないよね。」


「まぁ、なんでかなって私も思ってます。」


考えられるとしたら高さが違ったとか……。


ん、その可能性はあるよね。一応確認しとこ。


「紺野先生、相変わらず中川さんとは仲がいいですね。」


旗本先生の声は良くも悪くも感情が入っていない感じで怖い。


よくよく見ると、目が紺野先生を睨んでるみたいで、なんでだろうと少し思った。


でもすぐに優しい目で私の方を見つめてくれて、気のせいだったかと思い直した。


「いやあ、すいません。うちの月葉が怪我をしたばかりに……。」


何目線のコメントなんだろう……。



とても親のような、でも今は間違ってないか。一応保護者ではあるんだし。


「見せつけられても別になんとも思わないですよ。」


旗本先生のそのセリフに、私も紺野先生も首を傾げた。


見せつける?なんのこと?


「は、なんですか。見せつけるって。」


紺野先生もわけわからなすぎて「は?」とかキレ気味になっちゃってるし。


「月葉、戻るぞ。」


「え?あっちょっと……。」


無理やり腕を掴まれて引っ張られた。
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