苦手だったあなたへ
と思ったんだけど……。


『おおっとぉ?緑組のアンカーがものすごい勢いで青組のアンカーを追いかけていくぞ!』


実況の煽りも混じって、大盛況のアンカー争い。


ちなみに、みんなが100メートルしか走らない中、アンカーだけは200メートルを走る。


それまで差が開いていた分がみるみるうちに縮められ、ついには追い越されてしまった。


みんながみんなやばい……と思っていた。アンカーの人が1番思ってるんだろうけど。


結局、緑組のアンカーに1位を許したままのゴールとなった。


みんな、戻ってきたアンカーの人が泣いているのを見て、慰めていた。


「大丈夫大丈夫。仕方ないよ頑張ってたじゃん!」


「そうそう、俺らの中で断トツで速いんだから。かっこよかったぜ。」


こうして、2位という開き直ることも喜ぶことも難しい悔しい結果になった。


私のせいでもあるよね……。


『只今より、プログラム18、教師対抗リレーをスタートいたします。』


えっ……?


教師対抗リレー?って、何?


みんなの顔も困惑って感じの表情1色で、そっと実況を見守っている。


てか、よく聞くと実況してるのは生徒じゃなくて、放送委員担当の先生だ。


なんかのサプライズ……?


これ見て保護者たちはどういう反応をするんだろう。
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