苦手だったあなたへ
「じゃ、そろそろ失礼しますね。」


会釈をしたけど、旗本先生に腕を掴まれて呼び止められた。


「待ってよ。俺もアイス買ったんだ。一緒にどっかで食べない?」


「え?まぁそれなら……。」


2人でアイスを持ってコンビニのベンチまで戻った。


「そういえば、障害物競走のハードルの高さは調べたの?」


ソフトクリームを舐めながら、私にそう訪ねてきた旗本先生。


「あ、そのことなんですけど、私が使ったハードルだけ7センチ高かったらしいです。私はそんな誤差で転んだんですけど。」


私は確認できなかったけど、紺野先生がすぐに確認しに行ってくれた。


誰かがやったんだろうけど、それが意図的なのか間違いなのかわからない。


確認のしようも無いけど。


それに犯人探しをする気はさらさらないしね。


「お風呂の時は絆創膏剥がしなよ?痛いだろうけど。」


しみるの嫌だなぁ……。


運動不足だから怪我なんて全然しない。


久しぶりにできた膝の怪我を見つめて、痕にならないか心配だった。


「紺野先生、優しい?学校でめっちゃ人気だよね。」


「え、まぁ優しいかな。人気なのは旗本先生も一緒じゃないですか。」


旗本先生は紺野先生の数十倍優しいしね。


「紺野先生のこと、好き?」
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