苦手だったあなたへ
もう私、高校生なんだけどな。


帰り道を紺野先生と2人並んで歩くのは新鮮で、ちょっと心が浮き立つ。


「どうして旗本先生と2人であそこにいたの?」


「アイス買ってから帰ったら家の前で会って、一緒に食べようって。」


それが8時半ころだったかな。


紺野先生と話しているとすぐに家についた。


お互い何も言わずに部屋着に着替えて、リビングに自然と集まっていた。


「カラオケでほとんど何も食ってないだろ。なんか作るか。」


「手伝いますね。」


確かに、ジュースとアイスしかお昼ご飯の後に食べてない。


手を洗ってキッチンに行くと、紺野先生が冷蔵庫から食材を取りだしていた。


「アイス、旗本先生にあげたの?」


「いや、私が買ったのとは別で旗本先生もアイス持っていて……。」


あれ、その時どんな会話だったっけ。


『待ってよ。俺もアイス買ったんだ。一緒にどっかで食べない?』


その前に私アイス買ったなんて言ったっけ?


「旗本先生、コンビニから月葉のことつけてたんじゃない?」


紺野先生は不吉なことを言うし、私も頭がぐちゃぐちゃ。


いや、多分私アイス買ったって自然と言ってたんだ。多分そうだ。


旗本先生がそんなストーカーみたいなことするわけないもんね。
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