苦手だったあなたへ
真面目そうな見た目とは裏腹にものすごくチャラい。


男女共に生徒から人気だから、私の通う白銀高校のトップアイドルって感じ。


でも、私からしたらたぶらかしてるみたいで印象が良くないからあまり好きじゃない。


「別に……諸事情があって……。」


「ちょっと来い。」


「は……?」


私が驚くのは言うまでもない、紺野先生は私の手を急に掴んだかと思えばそのまま引っ張っていった。


どこに行くのかもわからないから、先生のそんな行動にただ恐怖心が募る。


「あの、どこですか。」


だいたい先生の家だなってわかるけど、なんでここに連れてこられたかはわからない。


「俺ん家。で、月葉はなんであんなとこにいたの?」


まだ新学期になってすぐなのにもう呼び捨てしてるし……チャラすぎるよね?


仕方ないので、その理由を全部話した。


先生は別段驚いた顔もせずに、笑いもしなかった。


「そっかぁ。月葉も親御さんに迷惑かけられないし、でもどうしようもないしね。」


それに悩んでるのに、この人は話だけ聞いてどうするつもりなんだろ。


「よし、俺ん家住むか。」


「はぁ?」


倫理観おかしいよね。


「先生、私はあなたの教え子なんですよ。公になったらどうするつもりですか。」
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