苦手だったあなたへ
夏休み
「くれぐれも、変な人について行かない、事故を起こさない、金銭トラブルを避けること。」


小学生か……。


夏休みが明日から始まるのと同時に、くだらない終業式も行われる。


つまらないんだよなぁ、毎度おなじみの話をしたあとは、1学期最後のホームルーム。


そこでももちろん同じ話をされる。


「まぁ、身の危険には気をつけろよー。」


紺野先生の場合は大雑把だからまだ良かったけど。


あと、もう1ついらないものが渡される。


「月葉、次月葉だぞ。早く来い。」


「あ、はーい。」


通知表、というものはどうしてこうも貰っても嬉しくないんだろう。


「絶妙だな、月葉。」


国語5、数学3、理科3、社会4、英語5、その他実技教科は諸々3付近。


The・平凡、平均な結果でどうにも感想が出ない。


「親に言えるか、これ。」


「いや、言わなきゃ。というか言え言えって連絡がたえないですよ。」


てか先生もバカにしてきてるよね。


酷いなぁ。


「まぁ、体育ひどいけど4にしてあげたんだから感謝しろよ。」


「あ、確かに。先生の好きなご飯作りますね、今日は。」


作り笑いでそう言って、自分の席に戻った。


みんな通知表を見てぐーぐーと唸ったり嬉しそうにしてたりと忙しそうだ。
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