苦手だったあなたへ
先生が言う通り、私が予定していた夕食とは全く違っていた。


でもどれも美味しそうだ。


「あのなぁ、宿題は早めにやっちゃえって言っただろ。配られたのだって今日じゃないんだし。」


「でも、なんかやる気なかったんです。」


またまた呆れ顔。


最近こんな表情よく見る気がするなぁ。


なんかちょっとだけかっこよく見えるのはまだ寝ぼけてるからかな。


「明日暇だろ、なんかすんの?」


「友達いないこと知ってて聞いてますか?何もしません。」


担任だから私の交友関係の狭さにはもう気づいているだろうに。


先生は茶道部の顧問だけど、部活の頻度はどんくらいなんだろう。


なんにしても、明日から暇だなぁ……。


夕食後、せっかくなので夜更かししようと夜に食べるためのプリンでも作ることにした。


「月葉、日付が変わるまで起きてるつもりか?」


「明日から休みだし、いいでしょ。先生もほとんど部活ないんですよね。」


お風呂のお湯を張ってきてくれた先生は、私が作る様子をずっと見てる。


なんか照れちゃうな。


「俺の分ないの?」


「ないつもりです。」


先生食べるなんて言ってないし、別に作らなくてもいいかなと思っていた。


甘いもの好きなんだっけ、先生って。
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