苦手だったあなたへ
「えー、じゃあ月葉に1口もらお。」


「えー、嫌です、あげません。」


1口とか言いながらもうちょっともうちょっとって言いそう。


それに1口ってなんか関節キスのイメージがあるんですけど……。


先生はややガッカリした感じで自分の部屋に戻った。


せっかく1人なので、プリンを冷やしている間にお風呂でゆっくりスマホを見る。


出た後に映画をしばらく見て、途中でプリンを食べ始めた。


時計はもう11時半をさしていた。


もちろん、先生が言っていたように日付が変わる前に寝るわけはなく。


なんならいつもそんな早く寝ないしね。


「あー、幸せ。」


「月葉、やっぱりまだ起きてた。」


え、先生起きてたの!?


もう寝てるかと思って油断していた。


「早く寝ろって言ったのに、もう……。」


先生は私が座るソファーに近づいてきて、横に座った。


な、何だろう……。


そう思っていたら、先生が私の顔に手を伸ばしてきた。


叩かれる?わけないけどちょっと身構えていると、先生の手は私のあごを掴んだ。


「え、何ですか……!?」


「ん、寝てない罰ゲーム?まぁ俺がやるとご褒美になるか、あはは。」


言ってることがふにゃふにゃだし、私は先生の行動にまだ理解ができない。
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