苦手だったあなたへ
カラオケ、この間体育祭で行ったばっかりなのに……。


みんなにとっては1ヶ月半なんて久しぶりなのだろうか。


「よし、行こ!てか下の名前何?」


「月葉、です。皆さんは?」


名前だけ確認して、一応仲がいいという設定を装ってカラオケに向かった。


お金は一応持ってるから良かったけど。


ポニーテールにしてる子が桜(さくら)ちゃん、髪飾りの派手な子が椿(つばき)ちゃん、ツインテールの子がすみれちゃん。


だいたい覚えられた。


「あ、男子勢来たよ。初めまして〜!」


女子たちが一気にキャピキャピとし始める。


凄い可愛らしく振る舞えるのが尊敬する。


「初めまして〜じゃあ自己紹介しようか。」


男の子たちの中で、1番リーダーぽい人が、先陣切って発言した。


合コンってこんな感じなんだ……イメージ通りと言えばその通りだ。


「私、桜って言います!よろしくね!」


アイドルみたいで、一般人でもこんなニッコリと自己紹介できるんだ、と感心していた。


「次、1番端の子だよ。」


「え、あぁ私か。えっと、中川月葉って言います。よろしくお願いします。」


いつもの緊張しちゃう癖で、お辞儀を思いっきりしてテーブルに頭をゴチっとぶつけてしまった。


「いったぁ……。」
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