苦手だったあなたへ
おでこを抑えながら顔を上げると、当たり前だけど集中が集まっていた。


「あはは、月葉ちゃん面白い!」


男の子たちは私のドジを見て大笑いする。


なんかここにいる人ってみんな失礼じゃない?


「もう、月葉ばっかり目立っててずるーい!」


眉間にしわをよせながら、ピキピキと血管を浮かせた椿ちゃんが私の肩をつついてきた。


いじりと言うよりも結構強くこずかれて、肩もおさえた。


なんなの、さっきから。


合コンなんて人生初だけど、多分これほど嫌な合コンは後に現れないだろうな。


「曲入れてこうよ。最初私たちデュエットするー!」


それよりだんだんお腹すいてきたからご飯が食べたい。


「あの、なんか頼んでいいですか?」


「月葉ったら食いしん坊なんだから!いっつもこうなんですよこの子。食い意地張りまくりで。」


すみれちゃんが私のことを貶すような言い方をする。


みんなそんなに私をおとしいれて引き立て役に仕立てあげたいのか!?


「いいじゃん、いっぱい食べる子可愛いよな。」


男の子の1人がそう言ってくれたけど、逆効果なんだよなぁ。


余計に女子たちが私に集中攻撃を繰り広げ始めるからやめてほしい。


「月葉は音痴だから歌わない方がいいよね!」


「そうそう!この間も下手だった〜!」
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