苦手だったあなたへ
カラオケで一通り盛り上がったあとで、場所を帰ることになった。


メガネの男の子も、名前が直弥(なおや)君だとわかったし。


「ごめん、俺そろそろ帰らなきゃ。」


直弥君がそう言っても、女子たちは見向きもせず「ふーんバイバイ。」と言うだけだった。


「月葉もそこの直弥君?だかなんだかと帰りなよ。私たちは二次会楽しむから!」


やっぱりみんな見た目しか見てなくて、本当に呆れる。


二次会だとか言って、6人で近くの流行りのパンケーキ屋さんに行った。


さっきから予定がだいぶ充実しているなぁ。


「カフェ、行きますか?」


「いや、そういえば俺の家この辺で、ちょっとよってかない?」


家この辺?


そうなんだ……でもあんまり行きたくない。


思春期の男子が率先して家に入れ込むなんておかしくない?


考えすぎなのかもだけど、普通は親に女の子との関係がバレることを避けたがるはず。


「うーん、お母さんとかに挨拶つかなくない?初対面だし。」


心配してそう言えば、直弥君はニコッと笑って言った。


「今俺1人暮らししてるから。平気だよ。」


やっぱり、もしかして、目的が違うなんてこと、ないよね?


「よし、じゃあ行こっか。」


「え、やっぱりまだお家にお邪魔するのは……。」
< 49 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop