苦手だったあなたへ
ここで紺野先生が慌てて弁解することで余計に怪しくなっちゃう……。


「あぁ、月葉は夏休みはどこも行かないって言ってたもんな?はは、俺担任ですし。」


笑って誤魔化してるの強い……!


さすがにコミュ力の塊だ。


旗本先生は微妙に怪しんでいる表情だけど。


「じゃ、帰りましょうか。もう5時半も過ぎているしね。」


旗本先生は疑い気味な顔のまま家に帰った。


途中先生と私が別れて先生だけ遠回りしてから家に帰ってきたけど。


「やれやれ、めんどくせぇな、隠し事も。」


「ほんとです。てか先生が変なこと言うからでしょ。」


夜ご飯用のピーマンを切りながら、先生を睨んだ。


「ところで、月葉はお盆暇か?」


「お盆?まぁ暇です。父と母は夏休み終わるまで帰ってきませんし。」


なんかついて来いってことかな?


「そう。ちょっと一緒に遠出しよ。」


遠出?どこまで行くつもりなんだろう。


さすがに国内だとは思うけど。


「ちょっと遠いけど俺の別荘行かない?たまに顔出さないとダメになるから。」


「え?」


先生別荘持ってるの!?
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