苦手だったあなたへ
「ちょっと!紺野先生マジで大丈夫ですか?」


「あい?あ、月葉。ありがとな。」


私から缶コーヒーをとってグビッと飲んだ。


なんか酔っぱらってるみたいで心配になる。


先生が座っている横に座って、私もカフェラテをすすった。


あっま、このカフェラテ。


こんな甘いやつだったっけ?


「ねぇ月葉。たまに不安にならない?バレたらどうしようって。」


私がカフェラテのことばかり考えてるように、先生もずっと考えていることがあったみたいだ。


って、これはマジなやつだから、ふざけて聞いたりしたらだめだ。


「えっと、私はもともとあんまりそういうこと考えるの好きじゃないので……。」


相談されている側としては寄り添いも共感もない最悪な返答になったけど。


でも、そんなことクヨクヨ考えられない。まだ学生というのもあるのかも。


でも、紺野先生はそんなリスクを背負ってまで私を助けてくれてるんだよね。


人の恩は本当にありがたい。


紺野先生が暗い顔をするのは珍しかった。


でもわかるんだよね。


たまにちょっと考えすぎて落ち込んで、怖くなって、不安になって、泣いちゃって……。


何ともやりきれなくて、眠れない日がある。


そういうとき、人の温かみというのは何よりも大切だって、私も知ってる。
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