苦手だったあなたへ
「大丈夫です。私はこのご恩は絶対返しますし、先生が立場悪くなるようなことしません。」


当たり前のことしか言えない。


語彙力のなさが垣間見えるけど、仕方ないから自分なりに話す。


「 先生の不安を私が全部わかっちゃいけないと思ってる。けど、受け止めることもわけてもらうこともできるんですよ。」


その不安要素を作り上げたのは私だから、先生がこんな風になるのは私の責任だ。


「ありがとな、月葉はやっぱり優しい。優しくて、可愛くて、本当に大好き……。」


大好き?


先生もなんか驚いた顔してるけど私もだよ?


何大好きって急に。そんなこと言われても困っちゃう。


「大好きじゃなくて、まぁ……そのね……。」


ごまかし感たっぷりにそう返事をすると、先生はまたいつもみたいにニッコリ笑った。


そうそう、笑顔が1番!


私はその笑顔を見て幸せだなぁ、と改めて感じた。


ただ、その後のマネージャー仕事はとにかく辛かったけど……。
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