苦手だったあなたへ
学校の何が楽しいのかはよくわからない。


友達がいないぼっちのひがみにも聞こえてしまうけど。


「先生は、仕事ですけど楽しみなんですか?てか楽しいんですか?」


教師になりたくてなったんだろうけど、仕事自体ずっと楽しいという訳でもないだろうし。


「楽しいよ。今は学校に行く理由ができたから。まぁそれも学校に行かなくてもよくなっちゃったけど。」


理由?


学校に行く理由なんて仕事でお金稼がなきゃとかじゃないんだ。


で、その理由もなくなったの?


意味わからないけど、先生はおふざけ顔ではなくて真面目な顔をしていたから今だけは突っ込まなかった。


車を走らすこと3時間。国内とはいえ、私たちが住む場所からだいぶ南にやってきた。


別荘のそばにある駐車場も紺野先生の私有地らしい。


そこから徒歩で3分くらいすると別荘が見えた。


真っ白な外壁から、私は洋風な内装を想像したけど、中は和モダンだった。


インテリアがオシャレで、紺野先生の趣味っぽいものもいくつか。


「こんな別荘持ってたんですね。」


「うん、親父が海外に住み始めて俺がもらった。」


なるほど。


でも素敵だなぁ。こんなにオシャレな別荘をリゾート地に持ってるなんて、ちょっとかっこいい。
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