苦手だったあなたへ
店内は落ち着いた客層で、ダウンライトもいい空気感をつくってる。


「いいとこですね。やっぱりここ選んで良かったですよ!」


「そうだな。遅い昼食というか、間食というか、よくわからないけど。」


先生は窓の外を眺めながら言った。


海に近いからか、空いた窓から潮の匂いがする風が流れてきた。


気分が爽快だ。


「お待たせしました。」


店員さんが運んでくれたオムライスやら何やらの美味しそうな料理たち。


「美味しい!お腹減ってたのもあってめちゃウマです!」


「良かったな。コーヒーゼリー美味そ。1口くれ。」


「えー、無理。」


そんな他愛もない話をしながら食べていた。


喫茶店を出てからまた通りを歩き、可愛らしいお店を見つけた。


可愛らしいと言っても、ロリータ風とかガーリー系とかではなくて、欧米風のオシャレなお店だ。


「オシャレで素敵〜!なんか買いましょ!」


「月葉、さっきの喫茶店の時と似た感想しか言わないな。」


旅行先と言うだけで、見慣れた紺野先生の嫌味顔もあまり気にならない。


何かここの記念品みたいなものも買っていきたいなぁ。


キーホルダーだと定番すぎるかも……。


ほとんどの人なら、お土産を買う時にもっと別のことで悩むよね?
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