苦手だったあなたへ
「あぁ、まぁいいよ。」


てことで本日別荘から3回目の外出。


夜11時を超えそうなくらいの時間帯に外出するのはワクワクする。


「夜の空気って感じだな。」


「ですね。胸が高揚してる。」


コンビニでアイスを買って2人でベンチに座った。


「月葉、楽しいか?」


「うん、とっても。先生も楽しそうですね。」


夜のワクワク感も相まって、先生がイケメンに見える。


というかイケメンなんだけど。


ぼーっとそんなことを考えていたら、先生が私に手を伸ばしてきた。


頭を優しく撫でられて、いつもはならないはずなのに頬が緩んだ。


「可愛い……。」


「ん?」


なんかボソッと喋ったけど、なんて言ったんだろう。


まぁなんでもいいか。


「なんかさ、月葉っていい性格してるよね。俺ホントに救われた。」


「そうですか?先生は最近私に甘いですよね。」


前よりも、甘やかされている感覚があるのは気のせいかな?


優しくて、いつもなんでも受け入れてくれて、本当にいい人なのは私じゃなくて、先生だよ。


アイスを食べ終わると、夜道を再び歩き始めた。


「……ん。」


先生が突然私の手を握ってきた。


「どうしたんですか?」


振り解きたいとかそういう訳じゃないけど力が強いな。
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