苦手だったあなたへ
昨日北校舎を見に行った時、良さげな空き教室があったから、そこに行こう。


メロンパンとたまごサンド、紙パックのいちごオレは私の1番好きな組み合わせ。


先生とのことがあってなんかモヤモヤして疲れてたけど、空き教室に向かっていたらだんだんワクワクしてきた。


人がいないっていう状況が好きで、だから友達もできないんだけどこれはこれで楽。


入口の前に立ってドアを開けると……やっぱ誰もいない。


「よしっ。」


「何が?」


「ひゃあっ!?」


小さく呟いた瞬間に後ろから返事をされて、驚いて振り返った。


立っていたのは紺野先生。なんでここにいるの……!


「な、何の用ですか……?」


「いや別に、ここいつも俺が使ってる部屋なの。」


まじで……?


全然穴場じゃなかったじゃん。


てかならなんで昨日はいなかったのかな。


「昨日は九重先生に呼び出されたんだよね。」


九重(ここのえ)先生は、生徒の嫌いな先生アンケート(もちろん非公式)断トツの数学教師。


私も、雑用を押し付けてくるからあまり好きではない。


それより私が思ってた疑問に答えられたことの方が気になる。


紺野先生って心読んだりすることあるよね。


「何、月葉もここ来ることにしたの?」
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