苦手だったあなたへ
「いいんです、渡したかっただけなので。」


つくづくいい子。


夏休み中、ちょっと嫌味かな?とか思った私は馬鹿だった。


無邪気で可愛い葵ちゃんがそんなこと言うはずないもんね。


多分語弊ってやつだ。


葵ちゃんとクラス違うから、すぐに別れちゃったけど、私はお土産を貰えて嬉しかった。


同じクラスならもっと良かったのになぁ。


でも、なんでもいいか。


仲良くしてもらえれば、ぼっちの私はそれだけで嬉しい。


紺野先生が朝のホームルームを始めた。


「みんな、夏休みはちゃんと規則正しい生活できたのか?多分夜更かししてるヤツばっかだろうな。」


笑いながらそう言うと、みんなから「えーっ」「先生こそ!」と声が上がる。


新学期になっても、人気度は変わらず健在している。


チラチラ私の方を見てくるから、その度に私はニヤけちゃった。


先生もなんか嬉しそうにしてる。


バレるのも時間の問題かも、と思わざるを得ない行動だ……。


始業式もなんかよくわかんない話をされて、寝てたらあっという間だった。


先生と少し違う関係性で、初めての登校。


ちょっとドキドキしながらだったけど、案外色々都合よく進んでいて、一安心。


ちなみに合コンの女子たちはちょっと私の方を見ていた。
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