苦手だったあなたへ
「お疲れ様ー、球技大会とか嫌じゃない?」


「そうですか?私は運動も好きなのであんまり。月葉さんは球技嫌なんですか?」


「うん……嫌、というか苦手というか。」


すごいなぁ、葵ちゃんは運動も勉強も得意で誰にでも優しくて可愛くて、逆に何ができないのやら。


私なんかこんな素晴らしい子と対面して球技について苦笑いで応答しているのに。


「でも全部やるとなると大変だなぁ。私はどちらかというと球技よりも水泳とか武道のほうがやりやすいんですよね。」


なんかまたしてもサラリとすごいことを口にしてるけど……。


葵ちゃんは悩みとかあるのかな。


こんな私が言うのも失礼だけど、悩みとかなさそうだもん。


だって、私がこんなスペックだったら絶対自慢しまくるし。


「葵ちゃんって本当に何でもできるよね。悩みとかあるの?」


ちょっと嫌味に聞こえちゃったかも。


でも葵ちゃんはいやそうな顔など1つせず、私に返事をしてくれた。


「まぁ、あまり人には言えないんですけど、実は私好きな人がいて、それが先生なんですよ。」


「えっ!?そうなんだ……。」


先生との恋愛みたいな話題は正直まずい。


1番私のぼろが出やすそうだし、明らかに不自然になってしまいかねない。


話題変えるのも失礼だしなぁ……。
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