苦手だったあなたへ
恋愛対象に入るってことはそれだけ年齢層が近いと考えていいはず。


うちの高校で考えてみると、思いつくのは2人。


1人はただいま私と絶賛お付き合い中の紺野先生。こんなこといくら真面目そうな葵ちゃんにだって絶対言えない。


もう1人は白銀のアイドル、保健室の神である旗本先生。


どうかお願いだから葵ちゃんの好きな人が後者であって。


「おい、ぼーっと突っ立ってる月葉。何してるんだよ帰るならさっさと帰れ。」


「あ、紺野先生。さっきまで友達と話してたんです。」


「え、月葉に友達!?だいぶもの好きなんだな。」


どう意味なの……!?


全く、関係性が少し変わったとは言え、失礼な人だ。


「あと帰りに味噌な。昨日から言ってるけど。」


「私が忘れないようにメッセージでずっと味噌って送られてるので覚えてますよ。」


「おぉ、よかった覚えててくれて。」


私を鳥頭だと思ってるのか?


先生と立ち話で盛り上がっていると、そこに旗本先生もやってきた。


「あ、久しぶりだね、中川さん。と、紺野先生も。」


めっちゃついで感のある言い方だったけど、まぁいいか。


「相変わらず2人は仲がいいですね。まぁ紺野先生はチャラいですしね。」


「はい?別にそういう目的があって話してるわけじゃないですよ。」
< 77 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop