苦手だったあなたへ
紺野先生、本当に昨日から言っていることがおかしい。


嫉妬してるのを遠回しに伝えてるんだったら可愛いけどさ。


「嫉妬じゃなくて、本心から心配してるの。」


「ああもうじれったい。どう考えても嫉妬じゃないですか。なんでそんなに隠そうとするの?別に素直に言ってくれればいいのに。」


「わかんないなぁ、本当に嫉妬してない!」


「それはそれで酷いよ!もういい。さっき謝ったの取り消しますから。」


やっぱり素直になれてないじゃん、先生ったら。


購買で買ったカレーパンには1口も手を付けずに2人きりだった空き部屋を出た。


そっから放課後まで、きまずいったらありゃしない。


目が合っても、すぐに背けちゃうし、廊下であったら靴紐結ぶフリしちゃうし。


素直になれないのが私なのか先生なのか、わけわからない行動をしていた。


「中川さん、ちょうどよかった。この後暇?良ければ手伝ってもらいたいことがあって。」


「全然暇です!」


放課後間近に旗本先生に声を掛けられ、私はのんきに保健室までついていった。


「それで、何をすればいいんですか?」


「まぁ、とりあえずベッドにでも座って。聞きたいことがあるんだ。」


声のトーンに本気感が出た。


何を言われるのか心配で身構えちゃうやつ。
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