親愛なる魔王の君へ＃2～召喚されたので、魔王の側近になります！～

1、異世界召喚

「……」

正直、毎日同じことの繰り返しでつまらない。

朝起きて、ご飯食べて、高校に行って、勉強して、帰ったらご飯食べて、寝る。

趣味があるとはいえ、どうしても毎日がつまらないと感じてしまうんだ。

僕は近くにある高校に通う、男子高校生。ちなみに、3年生だよ。

「雨琉（うる）、おはよう」

「お、朝川（あさかわ）じゃん。おはよう！」

僕と同じ高校に通う、隣のクラスの幼なじみである2人に挨拶をされて、僕は「おはよう」と返す。

2人は、いつもキラキラしている。毎日楽しそうにしているというか……。

元気で明るくて、いつも周りと楽しそうに話している。いつも静かに本を読んでいる僕とは正反対。言うなれば、この2人は陽キャというやつだろうか。

挨拶だけして、僕は教室に入った。いつものように席まで来ると、準備をして、カバンから文庫本を取り出す。

先生が来るまで、クラスメイトと関わらずに読書をする。それが、僕の日課だ。

今僕が読んでいるのは、異世界に召喚された主人公の話。

持ち前の明るい性格で友だちを作って、努力で強くなって、仲間を守る姿はかっこいい。

僕が続きを読もうと本を開けようとすると、不意にこんな会話が聞こえてきた。

「そういや、あいつが亡くなって、今日で丁度1年か……」