親愛なる魔王の君へ＃2～召喚されたので、魔王の側近になります！～

「話を続けますね。召喚魔法は、破壊神を何とかするために作られた。当時の人々は、破壊神が封印された後、召喚魔法を完全に消すことにしたんです。もう必要がありませんので」

「そのために、禁術として魔法を封印して、自然消滅を待った……ということか」

「そういうことです。誰か1人でも使えたら、その魔法は消滅しませんので……現に、禁術となった魔法は、長い年月をかけて徐々に消えてっています」

「……でも、待てよ。その禁術の召喚魔法で、こいつがここに来たってどういうことだ？」

「そこなんですよ。召喚魔法は禁術で、さっきも言ったみたいに何十年も前に消滅してると言われてる」

そう呟いて、ルーチェさんは何かを考え出した。その時、コンコン、と窓が叩かれる音がする。皆が一斉に窓の方を見ると、そこには赤髪に黄色の目をした男性がいた。

男性は、ルーチェさんみたいに杖を背負っている。

「えっ、アレンさん！？」

その姿を見て、ルーチェさんは驚きの声を出した。それを聞いたギルバートさんは「知り合いなのか？」と首を傾げる。

「はい。僕の友だちの弟で……でも、何でアレンさんがここに……？ギルバートさん、窓を開けても大丈夫ですか？」