親愛なる魔王の君へ#2~召喚されたので、魔王の側近になります!~
アレンさんの話では、僕は召喚魔法に巻き込まれたんじゃなくて、神様の力によって召喚されたという。そして、神様は僕の使命を教えてくれなかったそうだ。

それだけ言って、アレンさんは窓から家を出ていく。

「……今日から、異世界で……」

僕が呟くと、ギルバートさんは「なら、僕の家で暮らすといい」と言い、ルーチェさんは「この世界で暮らすために、勉強とか準備しないと……」と呟いた。

「ルーチェ、こいつに色々と教えてやってくれないか?僕、そういうの苦手なんだ」

ギルバートさんの言葉に、ルーチェさんは「良いですよ」と頷く。

「ということで、ラウルさん。これから、よろしくね」

ルーチェさんは、僕を見て微笑んだ。

……そういや、この世界では、ラウル・リヴィエールを名乗れって言っていたよね。

……慣れるまで、時間がかかりそうだ……。

「……ラウルでいい。僕もルーチェって呼ぶから」

「分かった。じゃあ、改めて……よろしくね。ラウル」

ルーチェさん……いや、ルーチェは、僕に向かってニコリと笑う。

「よろしく、ルーチェ」

僕も、ルーチェに向かって微笑んだ。
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