親愛なる魔王の君へ#2~召喚されたので、魔王の側近になります!~
2、意外な訪問者



僕がこの世界に召喚されて、1週間が経った。ルーチェにこの世界のことを教えてもらいながら、僕はギルバートさんと一緒に暮らしている。

まだまだ分からないことが多いけど、少しは慣れてきたとは思う。

僕は今、リビングでその辺に放置されていた魔法の専門書(だと思われる)を読んでいる。まだまだ読めない字は多いけど、この世界に来た時よりかは読めるようにはなった。

「……六、属……魔法……?あ、前にルーチェが教えてくれた、属性のことかな?確か、地、水、火、風、光、闇の6種類あるんだっけ……」

「ラウル、さっきから勉強しすぎだ。一旦休憩しろ」

なんて独り言を呟いていると、リビングにある椅子に座って紙を見つめていたギルバートさんが声をかけてくる。

「その専門書は、まだ早いんじゃないか?それ、魔導師以上の人向けの専門書だぞ」

「そうなの!?」

ギルバートさんの言葉に、僕は思わず声を出した。ちなみに、ギルバートさんに敬語を使うなって言われたから、敬語を外して話している。

そして、ギルバートさんって、21歳なんだね。もっと年上かと思っていたから、びっくりした。

「……何か食べるか?昨日、母さんがお菓子をくれてな」
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