親愛なる魔王の君へ＃2～召喚されたので、魔王の側近になります！～

「どういうことだ？どうして、誰も知らないようなことを知っている？……もしかして、クロウディア家が関係しているのか？」

ギルバートさんが質問攻めにする。ルーチェさんは、少し考えるような素振りを見せた後、口を開いた。

「もともとクロウディア家は、魔法を扱う家系なんです。ディスペア家が魔物使いの家系と同じようにね。クロウディア家には、当時の魔法が記された書物があります。それに、召喚魔法のことが書いてありました」

「……そんな重大なことを、話していいのか？」

ギルバートさんは、何かを心配してか、ルーチェさんにそう問いかける。多分、それを話したことで事態が悪化するかもしれない、と心配になったんだと思う。

「召喚魔法は、何十年も前に消滅した魔法です。そもそも、禁術になった時点で誰も使えないんですよ？悪用なんて、出来ない。封印を解くことすら出来ない。それに、ルカさんにはギルバートさんたちに話す許可を頂いてます」

「はっ、要するに……僕らが悪用なんてしないって思っているのか。そんなの、分かんないぞ？」

「……ギルバートさんは、そんな人じゃないでしょう？」

ルーチェさんは、さっきと似たような発言をした。またしても、ギルバートさんは何も言わなくなる。