完璧ブラコン番長と町の謎
夏樹くんの秘密 1
学校が終わって帰る時、あの公園の前を通ると、楽しそうな声が聞こえた。
覗いて見ると、夏樹くんと、夏樹くんと同じ年の子……いや、明らかに夏樹くんより年齢が低い子が数人いた。
キャッキャという歓声とともに、ボールが飛んでいる。コートがないからドッジボールではなさそうだ。夏樹くんと初めて会った時に咲いていた藤棚の藤はとうに散っていて、その下では真面目な顔で鉛筆を握っている子がいる。その周りには、ランドセルがあちこちに投げ捨てられていた。
「あ、あかりねーちゃん!」
夏樹くんが私に気付き、ブンブンと手を大きく振った。私も小さく手を振る。
夏樹くんが私のところまで走って来てくれた。すると、他の子たちも同じようにやって来る。
ボール遊びをしていた子だけじゃなく、藤棚の下で鉛筆を握っていた子も、ノートを抱えてやってきた。
「そっちの子たちは、夏樹くんの友だち?」
「うん。友だち」
夏樹くんがそう言うと、他の子たちが「こんにちはー!」とあいさつをする。
すごい。皆しっかりしてる。
「皆で遊んでいたの?」
「遊んでたっていうか」
コソ、と夏樹くんが私に耳打ちした。
「皆、妖怪に狙われやすい子たちなんだ。だから出来るかぎり、皆で集まってやり過ごしてるんだ」
その言葉に、私は驚いた。
覗いて見ると、夏樹くんと、夏樹くんと同じ年の子……いや、明らかに夏樹くんより年齢が低い子が数人いた。
キャッキャという歓声とともに、ボールが飛んでいる。コートがないからドッジボールではなさそうだ。夏樹くんと初めて会った時に咲いていた藤棚の藤はとうに散っていて、その下では真面目な顔で鉛筆を握っている子がいる。その周りには、ランドセルがあちこちに投げ捨てられていた。
「あ、あかりねーちゃん!」
夏樹くんが私に気付き、ブンブンと手を大きく振った。私も小さく手を振る。
夏樹くんが私のところまで走って来てくれた。すると、他の子たちも同じようにやって来る。
ボール遊びをしていた子だけじゃなく、藤棚の下で鉛筆を握っていた子も、ノートを抱えてやってきた。
「そっちの子たちは、夏樹くんの友だち?」
「うん。友だち」
夏樹くんがそう言うと、他の子たちが「こんにちはー!」とあいさつをする。
すごい。皆しっかりしてる。
「皆で遊んでいたの?」
「遊んでたっていうか」
コソ、と夏樹くんが私に耳打ちした。
「皆、妖怪に狙われやすい子たちなんだ。だから出来るかぎり、皆で集まってやり過ごしてるんだ」
その言葉に、私は驚いた。