結婚について、本気出してみた。
「先生、一つ聞いてもいいですか?」
「どうしました?」
「先生って独身なんですか?」
「ええ、まあ、一応」
「一応」
「というのも、僕、バツ2なんです」
「そうは見えないので、ちょっとびっくりです」と言いながら、まあ、言われてみればそんな顔してると思った筒香花菜。
「まあ、子供はいないんですけどね。どうも僕、人を愛せない人間みたいで……」
「趣味に生きてるって感じですか?」
「ええ。自転車や、ボート、特に好きなのは馬ですね」
「乗馬が趣味なんですか?」
「乗るんじゃないんです。乗せるんです」
「馬車みたいなことですか?」
「乗せるのは夢です」
「ああ」と競馬かと納得する筒香花菜。