結婚について、本気出してみた。
一週間で退院した筒香花菜。
退院の時、若井昌磨から連絡先の書かれたメモ用紙を渡される。
それをパーカーのポケットに仕舞って、電車に乗る筒香花菜。
行先は、浦安のマック。
チーズバーガー2つに、ベーコンポテトパイ、黒烏龍茶を注文して、2階の窓際の席を陣取る筒香花菜。
そこから見える菊の花束を持ち、ハンチングを被ったおじいさんがこれからどこへ行き、何をするか想像してみた。
「これ、もしお金を賭けられたら、私も2度結婚して、2度離婚するような人生を送るのかしら」
そんなことを想いながら、黒烏龍茶にストローを差す筒香花菜。勢いよく差したせいか、黒烏龍茶が飛び出て、テーブルが濡れた。
それをパーカーに入れておいたメモ用紙で拭く筒香花菜。拭き終わったメモ用紙を広げると、黒くにじんだ連絡先が行先をなくして、右往左往していた。