結婚について、本気出してみた。




「え? じゃあ何か? 仮に、仮にだが、オレが今書いているのがウォーターボーイズだとして、ウォーターボーイズより、今のこの状況の方が面白いって。若井はそう言いたいのか?」


「いや、キミの書いているものはウォーターボーイズじゃない。ウォーターボーイズみたいなものだ。全然違う」


「全然違いますね」


「全然違いました」


「もういいよ、オレの小説の話は。それより、みんな借りないなら、オレ借りてもいい? エイリアン2」


「ダメですよ、カンバラさん。私だって借りたいんですから、エイリアン2」


「私もです。一度も観たことがないので」


「え? 筒香さん、まだ一度も観たことがないんですか? 私が崇拝する神、ジェームズ・キャメロン監督の作品、エイリアン2を」


「エイリアン2がというより、エイリアン自体観たことがないです」


「パート1も観たことがないのに、2から観たいか? 普通。大体の映画ってパート2作ると、失敗するだろ」


「いえ、私の崇拝する神、ジェームズ・キャメロン監督はそんなことありません。現に、ターミネーターは、1より2の方が人気高いですし、あの名台詞、『アイルビーバック』も2で出てきます」


「そこまで言うなら、宗教の人は観たことあるんですよね? エイリアン2」


「もちろんですよ、筒香さん。あれは名作です。まあ、100いかないくらいは観ましたかね」


「そんなに観たのに、まだ観たいのか? エイリアン2」


「これは脱落案件ですね」


「ですね。あ、ちょっと僕、さっきから気になってたんですが、彼女の名前ってなんでしたっけ? 僕、カンバラに合わせて、『宗教の人』って呼んじゃったんですけど」



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