相会い傘歌
振り向くと、上級生が使う下駄箱の陰からゆっくりと男子が現れた。


「……!」

私が彼の姿を見てまず驚いたのは、そのスタイルの良さだった。

私の目線から見て、180センチくらいだろうか。

実際にはそこまでではないかもしれないけれど、小さな顔と広い肩幅、そして長く伸びた足が彼を高身長に見せている。

(じき)に訪れる夏を早くも肌で感じたのか、ブレザーを脱ぎ捨てたカッターシャツ姿はラフな着こなしにもかかわらず、ほかの男子と同じものを着てるとは思えないほどに洗練されていた。


次に驚いたのは言うまでもなく顔だ。
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