本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第9章 12 私の癖
「ありがとう、車で迎えに来てくれて」
助手席に座り、シートベルトをしめながら亮平にお礼を言った。
「別にこれ位の事礼を言うまでも無いだろう」
亮平もシートベルトをすると私を見た。
「それじゃ行くぞ?」
「うん」
そして亮平はアクセルを踏んだ――
「…」
窓の外を眺めていると、今日1日の事が思い出された。おばさんに偶然会ったこともそうだけど、やっぱり一番驚いたのはお姉ちゃんが実は私とは血の繋がりが無かったって言う事。亮平は知っているのだろうか? 思わず視線を窓から亮平に移し…。
「何だよ、何か話でもあるのか?」
ハンドルを握り、前を向いて運転しながら亮平が尋ねてきた。
「う、ううん。別に何も…」
「嘘つくな」
「え? 嘘…?」
亮平はチラリと私を見ると言った。
「ああ、そうだ。お前は昔から嘘や隠し事をする時は両手を前に組んで親指同士をすり合わせていた。今だってやってるじゃないか」
「え…? あ、ほんとだ!」
指摘されて気づいた。確かに私は今亮平の言ったとおりの事をしている。
「凄いね。私の事お見通しなんだ」
「当り前だろ? 何年お前の幼馴染やってると思ってるんだ」
「うん…」
幼馴染――
そう、私たちの関係はずっとこの先からは越えられない壁がある。
「どうせ忍の事だろう?」
「え? 知ってたの?お姉ちゃんの事!」
「知ってる? 一体何の事だ? 俺はただお前が今日忍の入院する病院に行ったから誰かから病状でも聞いたのかと思って言っただけだぞ?それとも忍の事で何か重要な話でも病院で聞かされたのか?」
「あ…。そ、それは…」
どうしよう。失言してしまった。つい亮平は知っているのかと思って思わず頷くと、亮平が何を思ったかため息をつくと不意にハンドルを左に切った。
「え? 亮平…何所へ行くの?」
曲がった先にはコンビニがあった。亮平はコンビニの駐車場に車を止めてエンジンを切ると私を見た。
「鈴音、お前何か忍の事について重大な事を知ってるんじゃないのか?」
亮平は真剣な顔で私を見る。
「…」
どうしよう? 亮平に言うべきなの? 本当は私とお姉ちゃんの間には血の繋がりは無かった事。それで私はお姉ちゃんに子供の頃から…ううん、多分生まれた時から憎まれていたって言う事を説明した方がいいの? だけど亮平は他人なのにこんな踏み込んだ話をしてもいいの…?
「黙っていないで答えろ。俺と忍は恋人同士なんだ。いずれ…結婚だってするつもりだ」
「!」
思わず肩がビクリとなった。結婚…? そんな…そこまでやっぱり亮平はお姉ちゃんに本気だったんだ。けれど、亮平は私の変化に気付くことなく話を続ける。
「父さんも母さんも忍の事を話そうとすると嫌がるんだ。認めたくないんだろう。考えてみれば2人とも子供の頃から忍の事苦手に思っている感じにみえたからな」
「そ、そうなんだ…」
やっぱりおじさんもおばさんもお姉ちゃんの抱えていた心の闇に気付いていたのかもしれない。
「だから家では忍の話をする事が出来ない。鈴音、今すぐここで教えてくれ」
「亮平…」
私は亮平の顔を見た。そこには真剣な瞳で私を見つめる亮平の姿があった。
いずれお姉ちゃんと本当に結婚を考えているのだとしたら話しておくべきなのかもしれない。
「わ、分ったよ…驚かないで聞いてね…」
覚悟を決めて私はお姉ちゃんの話をする事に決めた――
助手席に座り、シートベルトをしめながら亮平にお礼を言った。
「別にこれ位の事礼を言うまでも無いだろう」
亮平もシートベルトをすると私を見た。
「それじゃ行くぞ?」
「うん」
そして亮平はアクセルを踏んだ――
「…」
窓の外を眺めていると、今日1日の事が思い出された。おばさんに偶然会ったこともそうだけど、やっぱり一番驚いたのはお姉ちゃんが実は私とは血の繋がりが無かったって言う事。亮平は知っているのだろうか? 思わず視線を窓から亮平に移し…。
「何だよ、何か話でもあるのか?」
ハンドルを握り、前を向いて運転しながら亮平が尋ねてきた。
「う、ううん。別に何も…」
「嘘つくな」
「え? 嘘…?」
亮平はチラリと私を見ると言った。
「ああ、そうだ。お前は昔から嘘や隠し事をする時は両手を前に組んで親指同士をすり合わせていた。今だってやってるじゃないか」
「え…? あ、ほんとだ!」
指摘されて気づいた。確かに私は今亮平の言ったとおりの事をしている。
「凄いね。私の事お見通しなんだ」
「当り前だろ? 何年お前の幼馴染やってると思ってるんだ」
「うん…」
幼馴染――
そう、私たちの関係はずっとこの先からは越えられない壁がある。
「どうせ忍の事だろう?」
「え? 知ってたの?お姉ちゃんの事!」
「知ってる? 一体何の事だ? 俺はただお前が今日忍の入院する病院に行ったから誰かから病状でも聞いたのかと思って言っただけだぞ?それとも忍の事で何か重要な話でも病院で聞かされたのか?」
「あ…。そ、それは…」
どうしよう。失言してしまった。つい亮平は知っているのかと思って思わず頷くと、亮平が何を思ったかため息をつくと不意にハンドルを左に切った。
「え? 亮平…何所へ行くの?」
曲がった先にはコンビニがあった。亮平はコンビニの駐車場に車を止めてエンジンを切ると私を見た。
「鈴音、お前何か忍の事について重大な事を知ってるんじゃないのか?」
亮平は真剣な顔で私を見る。
「…」
どうしよう? 亮平に言うべきなの? 本当は私とお姉ちゃんの間には血の繋がりは無かった事。それで私はお姉ちゃんに子供の頃から…ううん、多分生まれた時から憎まれていたって言う事を説明した方がいいの? だけど亮平は他人なのにこんな踏み込んだ話をしてもいいの…?
「黙っていないで答えろ。俺と忍は恋人同士なんだ。いずれ…結婚だってするつもりだ」
「!」
思わず肩がビクリとなった。結婚…? そんな…そこまでやっぱり亮平はお姉ちゃんに本気だったんだ。けれど、亮平は私の変化に気付くことなく話を続ける。
「父さんも母さんも忍の事を話そうとすると嫌がるんだ。認めたくないんだろう。考えてみれば2人とも子供の頃から忍の事苦手に思っている感じにみえたからな」
「そ、そうなんだ…」
やっぱりおじさんもおばさんもお姉ちゃんの抱えていた心の闇に気付いていたのかもしれない。
「だから家では忍の話をする事が出来ない。鈴音、今すぐここで教えてくれ」
「亮平…」
私は亮平の顔を見た。そこには真剣な瞳で私を見つめる亮平の姿があった。
いずれお姉ちゃんと本当に結婚を考えているのだとしたら話しておくべきなのかもしれない。
「わ、分ったよ…驚かないで聞いてね…」
覚悟を決めて私はお姉ちゃんの話をする事に決めた――