本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第10章 10 何故気にするの?
それから30分後――
お風呂セットと着替えをトートバックに詰め込んで玄関を出ると、すでに門の前には亮平が大きなスポーツバックを持って立っていた。
「ご、ごめんね、亮平。待った?」
ガチャガチャと急いで鍵を掛けながら尋ねる。
「いや、別に。俺も今出てきたところだし」
「そう? なら良かった」
鍵をかけ終えて亮平の元へ行くと安堵の溜息をついた。
「よし、なら行くか」
「うん」
そして私たちは2人並んでスーパー銭湯へ向かって歩き出始めると亮平が話しかけてきた。
「とろでさ、別にそんなに慌てて出て来る事は無かったんだぞ? 俺の方が勝手にお前についていくって言ったんだし」
「で、でも待たせるわけにいかないよ」
「別に10分や15分位遅れたってどうって事ねーよ」
「亮平……」
本当に…ここ最近の亮平は一体どうしたと言うんだろう? 以前はもっと私に対して冷たい態度ばかり取っていたのに。5分でも時間を過ぎようものなら、以前は凄く文句を言ってきたのに。
「なんだ? 人の顔、じーっと見て?」
あまりにも凝視してしまっていたのだろうか。亮平が不思議そうな顔で私を見た。
「う、ううん。な、何でもない」
慌てて顔を伏せると、亮平が尋ねてきた。
「ところで、鈴音。今日はどんな仕事してきたんだ?」
「え? どうしたの…急に突然?」
「いや、いつも節約志向の鈴音が珍しくスーパー銭湯に行くなんて言うもんだから、てっきり余程疲れるような仕事でもしてきたのかと思ってさ」
「ああ…それで聞いてきたんだ? 今日はね、午前中いっぱいずっと駅前でチラシ配ってたの」
「ちらし? 旅行案内のか? それってノルマとかあるのか?」
「う~ん…別にノルマってほどのものじゃなけど…でも、やっぱり無言の圧みたいなものは感じるかな~なんて。あ、でもね、偶然知り合いの人に再会してごっそりチラシを持って行ってくれた人がいたから…」
「何? 知り合いが持って行ったのか? どんな人だったんだ?」
私は調子に乗って、つい失言してしまった事に気が付いた。でも…私が何処で何をしようと、きっと亮平にはどうでもいい話だろうし…。
「あ、え~と…そ、それは隆司さんだよ。今日久しぶりに偶然会ったんだよ」
「何? 隆司って…鈴音の元カレで…以前の同棲相手か!?」
何故か声を荒げる亮平。
「だ、だからそんなんじゃないんだってば…。大体今隆司さんにはヨリを戻した彼女がいるんだし」
言いながら私は思った。何でだろう? どうして私は亮平にこんな言い訳じみた説明をしているのだろう?
その時――
目の前に明るく光る大きな看板が見えた。スーパー銭湯の看板だ。
「あ、亮平! ほら、着いたよ、スーパー銭湯」
「ああ…そうだな」
亮平は、まだ何か私に言いたげに見えたけれども話を止めた。
2人で入店すると亮平が提案してきた。
「えっと…今19時半だから、このフロントで20時半にまちあわせしよう。それで飯食ってかえろう。いいか?」
いいも何も…私は亮平と一緒に過ごせる時間を共有できれば何でも良かった。
「うん。私はそれで構わないよ」
「よし。それじゃまた後でな」
こうして私たちはフロントの前でいったん別れた――
お風呂セットと着替えをトートバックに詰め込んで玄関を出ると、すでに門の前には亮平が大きなスポーツバックを持って立っていた。
「ご、ごめんね、亮平。待った?」
ガチャガチャと急いで鍵を掛けながら尋ねる。
「いや、別に。俺も今出てきたところだし」
「そう? なら良かった」
鍵をかけ終えて亮平の元へ行くと安堵の溜息をついた。
「よし、なら行くか」
「うん」
そして私たちは2人並んでスーパー銭湯へ向かって歩き出始めると亮平が話しかけてきた。
「とろでさ、別にそんなに慌てて出て来る事は無かったんだぞ? 俺の方が勝手にお前についていくって言ったんだし」
「で、でも待たせるわけにいかないよ」
「別に10分や15分位遅れたってどうって事ねーよ」
「亮平……」
本当に…ここ最近の亮平は一体どうしたと言うんだろう? 以前はもっと私に対して冷たい態度ばかり取っていたのに。5分でも時間を過ぎようものなら、以前は凄く文句を言ってきたのに。
「なんだ? 人の顔、じーっと見て?」
あまりにも凝視してしまっていたのだろうか。亮平が不思議そうな顔で私を見た。
「う、ううん。な、何でもない」
慌てて顔を伏せると、亮平が尋ねてきた。
「ところで、鈴音。今日はどんな仕事してきたんだ?」
「え? どうしたの…急に突然?」
「いや、いつも節約志向の鈴音が珍しくスーパー銭湯に行くなんて言うもんだから、てっきり余程疲れるような仕事でもしてきたのかと思ってさ」
「ああ…それで聞いてきたんだ? 今日はね、午前中いっぱいずっと駅前でチラシ配ってたの」
「ちらし? 旅行案内のか? それってノルマとかあるのか?」
「う~ん…別にノルマってほどのものじゃなけど…でも、やっぱり無言の圧みたいなものは感じるかな~なんて。あ、でもね、偶然知り合いの人に再会してごっそりチラシを持って行ってくれた人がいたから…」
「何? 知り合いが持って行ったのか? どんな人だったんだ?」
私は調子に乗って、つい失言してしまった事に気が付いた。でも…私が何処で何をしようと、きっと亮平にはどうでもいい話だろうし…。
「あ、え~と…そ、それは隆司さんだよ。今日久しぶりに偶然会ったんだよ」
「何? 隆司って…鈴音の元カレで…以前の同棲相手か!?」
何故か声を荒げる亮平。
「だ、だからそんなんじゃないんだってば…。大体今隆司さんにはヨリを戻した彼女がいるんだし」
言いながら私は思った。何でだろう? どうして私は亮平にこんな言い訳じみた説明をしているのだろう?
その時――
目の前に明るく光る大きな看板が見えた。スーパー銭湯の看板だ。
「あ、亮平! ほら、着いたよ、スーパー銭湯」
「ああ…そうだな」
亮平は、まだ何か私に言いたげに見えたけれども話を止めた。
2人で入店すると亮平が提案してきた。
「えっと…今19時半だから、このフロントで20時半にまちあわせしよう。それで飯食ってかえろう。いいか?」
いいも何も…私は亮平と一緒に過ごせる時間を共有できれば何でも良かった。
「うん。私はそれで構わないよ」
「よし。それじゃまた後でな」
こうして私たちはフロントの前でいったん別れた――