本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第10章 12 2人でシェア
「鈴音、待てよ!」
後から亮平が追いかけてきた。
「何だよ? どうしてさっさと先に行ってしまうんだ?」
私が何故亮平を置いて先にお食事処へ向かったのか理由が分からないようだった。全く……ちっとも私の気持ちに気付いていないのだから。
「お腹空いたから、早く夜ご飯食べたかっただけだよ」
素っ気なく応えると、窓際のテーブル席に腰かけた。
「何だ? お座敷席にはいかないのか?」
亮平が立ったまま質問してくる。……それもまた勘違いしている。お座敷席が好きなのはお姉ちゃんのほうで私はテーブル席の方が好きなのに。
「私はね、もともとお座敷席よりもテーブル席の方が好きなんだけど?」
「え……? だって、いつも俺達3人で居酒屋に行っていた時……」
亮平は椅子に座りながら言い……途中で口を閉ざした。
「ひょっとして、お座敷席が好きだったのって……?」
「うん。そうだよ。お姉ちゃんのほうだから」
「そうだったのか……」
亮平は少しだけ申し訳なさげに私を見る。そんな視線が痛かったからメニューを広げた。
「さ、どれにしようかな~。どれも美味しそう~」
知らなかった。スーパー銭湯って初めて来たけど、こんなに沢山メニューがあったなんて。それにアルコールも充実している。
「う~ん。何食べようかな……」
とにかく一番カロリーが高いものを食べなくちゃ。
「鈴音は何食べるんだ?」
片肘をつき、メニューを眺めながら亮平が尋ねてきた。
「うん? 私? そうだな~……とりあえず一番カロリーが高いものを食べようかな」
「何? 何だってそんな……」
亮平は意外そうな顔をして私を見た。
「うん……自分でも驚くくらい痩せちゃったみたいだから、栄養付けようと思ってね」
「痩せたって……今体重どの位なんだよ?」
亮平はデリカシーの無い事を聞いて来る。
「あのねぇ……普通はそう言う事聞いてこないんじゃないかなぁ……?」
「何で? お前から先に話を振ってきたんだろう? それに俺とお前の中で、そんな話いまさらだろう?」
「……キロだよ……」
「は? 何キロだって?」
「だから……38キロだってば」
「何っ!? お前、それだけしかないのか? 小学生並みじゃないか!」
突然私の右手首を握り締めてきた。
「え? ちょ、ちょっと何!?」
「う~ん……確かにこれじゃあな……今にも折れそうな細さだ」
亮平は私の右手を離した。
「よし、なら俺が鈴音の為にメニューを選んでやる。う~ん……どれにするかな……」
「え? ちょ、ちょっと待ってよ」
亮平は私の返事を聞く前に、真剣にメニュー表を眺めた。
「よし! このフライ盛り合わせ定食にしろっ!」
亮平が指さしてきた料理は、とんかつにエビフライ、鶏のから揚げにメンチカツと鰺フライがてんこ盛りになったメニューだった。
「ええ? む、無理っ! いくら何でもこんなに沢山食べられないからっ! おまけにフライドポテトも乗ってるじゃない!」
冗談じゃない。こんなに沢山食べれっこない。
「いいから、いいからこれにしておけ。鈴音が食べきれなければ俺が代わりに食うからさ」
そして亮平は有無を言わさず、テーブルに乗っているタブレット端末で注文してしまった。
「亮平は食べないの?」
「ああ、俺はいいや。生ビールをジョッキで頼んだから。鈴音の分も頼んでおいたぞ」
「え? まさかジョッキでっ?!」
「いや? グラスで頼んだけど……ジョッキの方が良かったか?」
「ま、まさか……あんなにボリュームのある料理を頼んでいるのにジョッキでなんか飲めるはずないでしょう?」
「う~ん。まあ、確かにそうかもな。食べきれなければ残りは俺が食べるから……とりあえず食べれるだけ食べろよ?」
「う、うん……。分かった」
けれど、結局私は半分も食べる事が出来ず、亮平が残りの料理を引き受ける事になった――
後から亮平が追いかけてきた。
「何だよ? どうしてさっさと先に行ってしまうんだ?」
私が何故亮平を置いて先にお食事処へ向かったのか理由が分からないようだった。全く……ちっとも私の気持ちに気付いていないのだから。
「お腹空いたから、早く夜ご飯食べたかっただけだよ」
素っ気なく応えると、窓際のテーブル席に腰かけた。
「何だ? お座敷席にはいかないのか?」
亮平が立ったまま質問してくる。……それもまた勘違いしている。お座敷席が好きなのはお姉ちゃんのほうで私はテーブル席の方が好きなのに。
「私はね、もともとお座敷席よりもテーブル席の方が好きなんだけど?」
「え……? だって、いつも俺達3人で居酒屋に行っていた時……」
亮平は椅子に座りながら言い……途中で口を閉ざした。
「ひょっとして、お座敷席が好きだったのって……?」
「うん。そうだよ。お姉ちゃんのほうだから」
「そうだったのか……」
亮平は少しだけ申し訳なさげに私を見る。そんな視線が痛かったからメニューを広げた。
「さ、どれにしようかな~。どれも美味しそう~」
知らなかった。スーパー銭湯って初めて来たけど、こんなに沢山メニューがあったなんて。それにアルコールも充実している。
「う~ん。何食べようかな……」
とにかく一番カロリーが高いものを食べなくちゃ。
「鈴音は何食べるんだ?」
片肘をつき、メニューを眺めながら亮平が尋ねてきた。
「うん? 私? そうだな~……とりあえず一番カロリーが高いものを食べようかな」
「何? 何だってそんな……」
亮平は意外そうな顔をして私を見た。
「うん……自分でも驚くくらい痩せちゃったみたいだから、栄養付けようと思ってね」
「痩せたって……今体重どの位なんだよ?」
亮平はデリカシーの無い事を聞いて来る。
「あのねぇ……普通はそう言う事聞いてこないんじゃないかなぁ……?」
「何で? お前から先に話を振ってきたんだろう? それに俺とお前の中で、そんな話いまさらだろう?」
「……キロだよ……」
「は? 何キロだって?」
「だから……38キロだってば」
「何っ!? お前、それだけしかないのか? 小学生並みじゃないか!」
突然私の右手首を握り締めてきた。
「え? ちょ、ちょっと何!?」
「う~ん……確かにこれじゃあな……今にも折れそうな細さだ」
亮平は私の右手を離した。
「よし、なら俺が鈴音の為にメニューを選んでやる。う~ん……どれにするかな……」
「え? ちょ、ちょっと待ってよ」
亮平は私の返事を聞く前に、真剣にメニュー表を眺めた。
「よし! このフライ盛り合わせ定食にしろっ!」
亮平が指さしてきた料理は、とんかつにエビフライ、鶏のから揚げにメンチカツと鰺フライがてんこ盛りになったメニューだった。
「ええ? む、無理っ! いくら何でもこんなに沢山食べられないからっ! おまけにフライドポテトも乗ってるじゃない!」
冗談じゃない。こんなに沢山食べれっこない。
「いいから、いいからこれにしておけ。鈴音が食べきれなければ俺が代わりに食うからさ」
そして亮平は有無を言わさず、テーブルに乗っているタブレット端末で注文してしまった。
「亮平は食べないの?」
「ああ、俺はいいや。生ビールをジョッキで頼んだから。鈴音の分も頼んでおいたぞ」
「え? まさかジョッキでっ?!」
「いや? グラスで頼んだけど……ジョッキの方が良かったか?」
「ま、まさか……あんなにボリュームのある料理を頼んでいるのにジョッキでなんか飲めるはずないでしょう?」
「う~ん。まあ、確かにそうかもな。食べきれなければ残りは俺が食べるから……とりあえず食べれるだけ食べろよ?」
「う、うん……。分かった」
けれど、結局私は半分も食べる事が出来ず、亮平が残りの料理を引き受ける事になった――