本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第12章 6 昏睡状態からの目覚め
ピコーン
ピコーン……
何処かでモニターが鳴っている音がする……。
「う……」
ゆっくり目を開けると、目の前に真っ白な天井が飛び込んで来た。
「……?」
ここは一体どこだろう……? 身体を起こそうとして、身じろぎしようとしても身体が全く動かない。
「……ッ!?」
え……? 何? どうしても全身が鉛にでもなってしまったかのように重くて少しも身動きが取れない。私は今どうなっているの……?
身体を動かすことが出来ないので視線だけを動かしてみると右側に恐らく脳波と脈拍を図るための機械が置いてあった。そして今更ながら気が付いた。
私……酸素吸入されてる。しかもよく見れば私の身体からはあちこちチューブのようなものや点滴の管らしきものが伸びている。どうして今自分がこのような状況になっているのかさっぱり分からなかった。
もしかして私は夢を見ているのかな……?
だけど夢にしてはやけにリアルだし、何よりも身体に走る痛みが、ここは現実世界だと訴えている。
「……」
誰か……。
状況を確認したい……。病院であるのは分かるけど、今の自分がどうなっているか……。
その時誰かが私に近付いてくる気配を感じた。待って……行かないで……。
「あ……」
必死で声を振り絞る。
「え!?」
するとすぐ傍で驚いた声が聞こえた。
「加藤さん!? 意識が戻ったの!?」
そして私を覗き込む女性が目に映った。あ……この人は看護師さんだ……。ぼんやりする頭で分かった。
「あ……」
はいと言いたかったのに、私はこの言葉しか発することが出来なかった。
「待っていてね! すぐに先生を呼んでくるからっ!」
そして慌ただしく去って行く気配を感じた。意識が戻った……? 私……ずっと今まで眠っていたって事……?
「……」
一瞬意識が遠のきかけた時――
「加藤さん」
不意に名前を呼ばれて私は意識が呼び戻された。
「……」
視線を動かすと、そこには白衣を着た白髪交じりの男の先生が立っていた。
「加藤さん……よく頑張りましたね。貴女は交通事故に遭って3カ月間も意識不明の状態が続いていたのですよ? 本当に……よく生還されました。後少し遅ければ手遅れになる所でしたよ」
え……? 交通事故……? 3か月も意識不明……?
衝撃の言葉に驚いた。
「あ……」
それってどう言う事ですか? 尋ねたかったのに、言葉が出てこない。
「ずっと寝たきりで不意に意識が戻って疲れたでしょう? どうぞ休んでいいですよ?」
その声はとても安心出来る声で、私はそっと目を閉じた――
****
ピコーン
ピコーン
次に目を覚ますと、最初に目覚めた時よりは意識がはっきりしていた。相変わらず辺りはモニターの音があちこちで響いている。
私……交通事故に遭ったんだっけ……。
でもどうして事故に遭ったんだろう? 今何時かな……? 時間を確認したくて視線を動かすと、前方の白い壁に時計が掛けられているのが目に入った。時間は9時15分を指している。
朝なのか夜なのかさっぱり分からない。それにさっき目覚めた時は気づかなかったけど、私が寝かされている場所はとても広い場所だと言う事が分かった。
あちこちではモニターの音が響き渡っている。ここはひょとして重症患者さんが運ばれてくる部屋なのかな?
その時、誰かが近づいて来る気配を感じて視線を動かした。
「あ、加藤さん。目が覚めたのですね? 気分はどうですか?」
声をかけて来たのは若い看護師さんだった。
「こ……こ、こは……?」
喋れた……自分でも驚くほど弱々しい声だったけど、それでも声が出せた。
「ここはICU、集中治療室ですよ」
ICU……集中治療室……。
私はようやく自分が今いる場所が何処か、はっきり認識することが出来た――
ピコーン……
何処かでモニターが鳴っている音がする……。
「う……」
ゆっくり目を開けると、目の前に真っ白な天井が飛び込んで来た。
「……?」
ここは一体どこだろう……? 身体を起こそうとして、身じろぎしようとしても身体が全く動かない。
「……ッ!?」
え……? 何? どうしても全身が鉛にでもなってしまったかのように重くて少しも身動きが取れない。私は今どうなっているの……?
身体を動かすことが出来ないので視線だけを動かしてみると右側に恐らく脳波と脈拍を図るための機械が置いてあった。そして今更ながら気が付いた。
私……酸素吸入されてる。しかもよく見れば私の身体からはあちこちチューブのようなものや点滴の管らしきものが伸びている。どうして今自分がこのような状況になっているのかさっぱり分からなかった。
もしかして私は夢を見ているのかな……?
だけど夢にしてはやけにリアルだし、何よりも身体に走る痛みが、ここは現実世界だと訴えている。
「……」
誰か……。
状況を確認したい……。病院であるのは分かるけど、今の自分がどうなっているか……。
その時誰かが私に近付いてくる気配を感じた。待って……行かないで……。
「あ……」
必死で声を振り絞る。
「え!?」
するとすぐ傍で驚いた声が聞こえた。
「加藤さん!? 意識が戻ったの!?」
そして私を覗き込む女性が目に映った。あ……この人は看護師さんだ……。ぼんやりする頭で分かった。
「あ……」
はいと言いたかったのに、私はこの言葉しか発することが出来なかった。
「待っていてね! すぐに先生を呼んでくるからっ!」
そして慌ただしく去って行く気配を感じた。意識が戻った……? 私……ずっと今まで眠っていたって事……?
「……」
一瞬意識が遠のきかけた時――
「加藤さん」
不意に名前を呼ばれて私は意識が呼び戻された。
「……」
視線を動かすと、そこには白衣を着た白髪交じりの男の先生が立っていた。
「加藤さん……よく頑張りましたね。貴女は交通事故に遭って3カ月間も意識不明の状態が続いていたのですよ? 本当に……よく生還されました。後少し遅ければ手遅れになる所でしたよ」
え……? 交通事故……? 3か月も意識不明……?
衝撃の言葉に驚いた。
「あ……」
それってどう言う事ですか? 尋ねたかったのに、言葉が出てこない。
「ずっと寝たきりで不意に意識が戻って疲れたでしょう? どうぞ休んでいいですよ?」
その声はとても安心出来る声で、私はそっと目を閉じた――
****
ピコーン
ピコーン
次に目を覚ますと、最初に目覚めた時よりは意識がはっきりしていた。相変わらず辺りはモニターの音があちこちで響いている。
私……交通事故に遭ったんだっけ……。
でもどうして事故に遭ったんだろう? 今何時かな……? 時間を確認したくて視線を動かすと、前方の白い壁に時計が掛けられているのが目に入った。時間は9時15分を指している。
朝なのか夜なのかさっぱり分からない。それにさっき目覚めた時は気づかなかったけど、私が寝かされている場所はとても広い場所だと言う事が分かった。
あちこちではモニターの音が響き渡っている。ここはひょとして重症患者さんが運ばれてくる部屋なのかな?
その時、誰かが近づいて来る気配を感じて視線を動かした。
「あ、加藤さん。目が覚めたのですね? 気分はどうですか?」
声をかけて来たのは若い看護師さんだった。
「こ……こ、こは……?」
喋れた……自分でも驚くほど弱々しい声だったけど、それでも声が出せた。
「ここはICU、集中治療室ですよ」
ICU……集中治療室……。
私はようやく自分が今いる場所が何処か、はっきり認識することが出来た――