本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第13章 2 7か月ぶりの帰宅
久しぶりの電車に乗って、私は新小岩駅に降り立った。駅周辺は大分変っていて、私はまるで自分が浦島太郎になったような気分になっていた。
「え? ここ……雑貨屋さんだったのに本屋さんになってる!」
駅前にある私がお気に入りだった雑貨屋さんがいつの間にか本屋さんになっていた。ちょっとショック。そして工事中になっていた建物もいつの間にか駅前マンションに様変わりしていた。
「たった7カ月でこんなに駅前って変わっちゃうものなんだ……」
私は荷物を持ってトボトボと自分のマンションへ向かって歩き始めた。時間は午前11時。随分半端な時間だったから住宅街は妙にシンと静まり返り、私だけしか歩いていない。まるで止まった時間の中を自分一人だけが動いているような妙な感覚を覚え、少し不安に思いながら私は歩き続けた。
駅を出てから歩く事10分、懐かしいマンションが現れた。
「昨日……不動産会社に電話を入れてガスや水道、電気の供給をお願いしていたけど大丈夫かなぁ?」
入院期間中のマンションの家賃が気になっていたけども、それは慰謝料で月々の家賃支払いに充てる事が出来た。もしこれが貰えていなければ私はマンションを解約して退去しなければならなかった。
マンションに到着し、郵便受けを確認してみるとガムテープが張られていた。
「え……? 誰が貼ってくれたんだろう……? ひょっとして不動産会社の人……?」
ベリベリとガムテープをはがして、郵便受けを開けてみると一切郵便物は入っていなかった。
「私の本来届くべき郵便物って一体どうなっているんだろう……?」
首を傾げたが、どうにも私は分からなかった。
「まぁいいか……。どうせダイレクトメールしかいつも届いていなかったし……」
自分の部屋の前に到着した私は少し緊張した面持ちでバックの中からマンションの鍵を取り出し、ドアをガチャリと開けた。その途端モワツと得も言われぬ妙な匂いが部屋中に充満している事に気が付いた。
「う……な、何か……かび臭いと言うか……埃臭い……」
部屋の中はまだ残暑の名残で蒸し暑さと匂いで頭がくらくらしてきた。
「早く部屋の換気しなくちゃ!」
慌てて靴を脱いで部屋に上がり込むと、部屋中の窓と言う窓を開け放ち、空気の入れ替えをした。
「そうだ……布団もかび臭いだろうから干さなくちゃ。今から干しても6時間ぐらいは干していられるかな? 幸い今日は雲一つないお天気だし……」
ベッドの上から布団を剥がすと、さらに布団カバーや敷布団カバーを剥がしてベランダに干した。その後洗濯機にカバーとシーツ、そして洗剤を投入してスイッチをいれる。
「次は……掃除ね」
部屋の中は薄っすら埃がたまっているので、廊下の収納庫からはたきと掃除機を持ってくると、私は念入りに掃除を始めた――
「ふう……やっと終わった……それにしても疲れたな……」
掃除と洗濯が終わって、ようやく一息ついた私は床に敷いたラグマットの上にゴロリと横になった。本当は掃除の最中、何度も休みたいと思ったけど、一度腰を下ろすと二度と立てない気がして自分自身に鞭打って必死で休憩しないで動き続けたから、もう限界。ヘトヘトだった。
床の上に大の字になって寝そべると暫くぶりに見る天井を見つめた。
「あ……そう言えば冷蔵庫の中を見るの忘れてたな……」
どうしよう……きっと物凄い事になっているかも……。私は自分の記憶を引っ張り出し……そこで考えるのをやめた。
「もういいや……後で……冷蔵庫はやろう……」
そしていつの間にか私はそのまま眠ってしまった――
「え? ここ……雑貨屋さんだったのに本屋さんになってる!」
駅前にある私がお気に入りだった雑貨屋さんがいつの間にか本屋さんになっていた。ちょっとショック。そして工事中になっていた建物もいつの間にか駅前マンションに様変わりしていた。
「たった7カ月でこんなに駅前って変わっちゃうものなんだ……」
私は荷物を持ってトボトボと自分のマンションへ向かって歩き始めた。時間は午前11時。随分半端な時間だったから住宅街は妙にシンと静まり返り、私だけしか歩いていない。まるで止まった時間の中を自分一人だけが動いているような妙な感覚を覚え、少し不安に思いながら私は歩き続けた。
駅を出てから歩く事10分、懐かしいマンションが現れた。
「昨日……不動産会社に電話を入れてガスや水道、電気の供給をお願いしていたけど大丈夫かなぁ?」
入院期間中のマンションの家賃が気になっていたけども、それは慰謝料で月々の家賃支払いに充てる事が出来た。もしこれが貰えていなければ私はマンションを解約して退去しなければならなかった。
マンションに到着し、郵便受けを確認してみるとガムテープが張られていた。
「え……? 誰が貼ってくれたんだろう……? ひょっとして不動産会社の人……?」
ベリベリとガムテープをはがして、郵便受けを開けてみると一切郵便物は入っていなかった。
「私の本来届くべき郵便物って一体どうなっているんだろう……?」
首を傾げたが、どうにも私は分からなかった。
「まぁいいか……。どうせダイレクトメールしかいつも届いていなかったし……」
自分の部屋の前に到着した私は少し緊張した面持ちでバックの中からマンションの鍵を取り出し、ドアをガチャリと開けた。その途端モワツと得も言われぬ妙な匂いが部屋中に充満している事に気が付いた。
「う……な、何か……かび臭いと言うか……埃臭い……」
部屋の中はまだ残暑の名残で蒸し暑さと匂いで頭がくらくらしてきた。
「早く部屋の換気しなくちゃ!」
慌てて靴を脱いで部屋に上がり込むと、部屋中の窓と言う窓を開け放ち、空気の入れ替えをした。
「そうだ……布団もかび臭いだろうから干さなくちゃ。今から干しても6時間ぐらいは干していられるかな? 幸い今日は雲一つないお天気だし……」
ベッドの上から布団を剥がすと、さらに布団カバーや敷布団カバーを剥がしてベランダに干した。その後洗濯機にカバーとシーツ、そして洗剤を投入してスイッチをいれる。
「次は……掃除ね」
部屋の中は薄っすら埃がたまっているので、廊下の収納庫からはたきと掃除機を持ってくると、私は念入りに掃除を始めた――
「ふう……やっと終わった……それにしても疲れたな……」
掃除と洗濯が終わって、ようやく一息ついた私は床に敷いたラグマットの上にゴロリと横になった。本当は掃除の最中、何度も休みたいと思ったけど、一度腰を下ろすと二度と立てない気がして自分自身に鞭打って必死で休憩しないで動き続けたから、もう限界。ヘトヘトだった。
床の上に大の字になって寝そべると暫くぶりに見る天井を見つめた。
「あ……そう言えば冷蔵庫の中を見るの忘れてたな……」
どうしよう……きっと物凄い事になっているかも……。私は自分の記憶を引っ張り出し……そこで考えるのをやめた。
「もういいや……後で……冷蔵庫はやろう……」
そしていつの間にか私はそのまま眠ってしまった――