本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第13章 14 昨夜の出来事
翌日――
あんなに悩んでいたのに、やはり事故の後遺症のせいかどうかは不明だけどもたっぷり寝てしまい、目覚めたのは朝の10時だった。
「はぁ……ダメだわ。こんな生活じゃ。来週からは仕事に復帰しようと思っているのにこれじゃいつまでたっても元の生活に戻れない」
思わずベッドの上でため息をついてしまった。
「とにかく……起きなくちゃ」
ベッドから出ると、タンスを開けてTシャツとジーンズを取り出した。
さっさとパジャマを脱いで、たった今出した洋服に着替えると顔を洗いに洗面台へと向った。
顔を洗って、朝の準備をした私の前にはトーストした食パンに野菜ジュースにヨーグルトがテーブルの上に乗っている。
「いただきます」
テレビを見ながらパンを食べ始……昨夜の事を思い出していた。
川口さんに誘われて行った焼き鳥屋さん。マンションで私の帰りを待っていた亮平。そして突然の川口さんからの告白。彼は格好いいし、良い人なのかもしれないけど告白されても何も感じかなった。
ただ……「困る」。
その感情しか湧き上がってこなかった。冷たい人間と思われるかもしれないけれど、やっぱり私が好きなのは亮平なんだ。だけど、亮平はお姉ちゃんの恋人。今は私の事が心配だからそばにいようとしているのかもしれないけれど、ここで突き放さなければ。そうじゃないと私は勘違いしてしまいそうになるから。
ひょっとすると亮平は私の事を好きなんじゃないかって……。
「そういえば、あの後2人はどうしたんだろう? 私勝手に帰ってきてしまったけど……」
ちょっと無責任だったかな? だけどあの時は本当に頭の中が混乱して、何も考えつかなかった……。
「ごちそうさまでした」
食事を終えて、台所へ食器を運んだ。そこで洗い物を済ませた後、私はスマホを手に取った。亮平の家に電話をいれて見よう。きっとおばさんが出てくれるはずだもの。おばさんに話を聞いてみれば昨夜、あの後亮平がどうなったのか少しは手掛かりがつかめるかもしれない。本当は直に亮平にメールをいれた方が良いのかもしれないけれど、昨夜1人で部屋に帰ったことを責められそうで嫌だったから。
スマホを手に取り、亮平の家の電話番号を呼び出し……ごくりと息をのむと私は番号をタップした。
何回目かのコールの後、おばさんが電話に出た。亮平の家の電話はナンバーディスプレイ登録をしてあるので、この電話が誰からなのかすぐに分かったようだった。
『もしもし、鈴音ちゃん?』
スマホからおばさんの声が聞こえてくる。
「あ……こんにちは、おばさん」
『こんにちは。身体の具合はどう? どこか痛むところとか無い?』
「はい、今のところ大丈夫です。それで昨夜、亮平帰ってきましたか?」
『え? 帰って来たかって? ええ、帰って来たわよ。でも随分遅かったわねえ……残業だったみたいよ? 23時頃に帰ってきたから』
「23時……」
どうしよう……そんなに帰ってきた時間遅かったんだ。ひょっとしてあの後、川口さんともめたのかな? 自分であの2人を置いて部屋に帰ってしまったことに罪悪感を感じてきた。
『まあ、亮平の事は別にいいわ。何せ最近忍ちゃんと会っていないようだから』
「え……?」
私はおばさんの話に耳を疑った――
あんなに悩んでいたのに、やはり事故の後遺症のせいかどうかは不明だけどもたっぷり寝てしまい、目覚めたのは朝の10時だった。
「はぁ……ダメだわ。こんな生活じゃ。来週からは仕事に復帰しようと思っているのにこれじゃいつまでたっても元の生活に戻れない」
思わずベッドの上でため息をついてしまった。
「とにかく……起きなくちゃ」
ベッドから出ると、タンスを開けてTシャツとジーンズを取り出した。
さっさとパジャマを脱いで、たった今出した洋服に着替えると顔を洗いに洗面台へと向った。
顔を洗って、朝の準備をした私の前にはトーストした食パンに野菜ジュースにヨーグルトがテーブルの上に乗っている。
「いただきます」
テレビを見ながらパンを食べ始……昨夜の事を思い出していた。
川口さんに誘われて行った焼き鳥屋さん。マンションで私の帰りを待っていた亮平。そして突然の川口さんからの告白。彼は格好いいし、良い人なのかもしれないけど告白されても何も感じかなった。
ただ……「困る」。
その感情しか湧き上がってこなかった。冷たい人間と思われるかもしれないけれど、やっぱり私が好きなのは亮平なんだ。だけど、亮平はお姉ちゃんの恋人。今は私の事が心配だからそばにいようとしているのかもしれないけれど、ここで突き放さなければ。そうじゃないと私は勘違いしてしまいそうになるから。
ひょっとすると亮平は私の事を好きなんじゃないかって……。
「そういえば、あの後2人はどうしたんだろう? 私勝手に帰ってきてしまったけど……」
ちょっと無責任だったかな? だけどあの時は本当に頭の中が混乱して、何も考えつかなかった……。
「ごちそうさまでした」
食事を終えて、台所へ食器を運んだ。そこで洗い物を済ませた後、私はスマホを手に取った。亮平の家に電話をいれて見よう。きっとおばさんが出てくれるはずだもの。おばさんに話を聞いてみれば昨夜、あの後亮平がどうなったのか少しは手掛かりがつかめるかもしれない。本当は直に亮平にメールをいれた方が良いのかもしれないけれど、昨夜1人で部屋に帰ったことを責められそうで嫌だったから。
スマホを手に取り、亮平の家の電話番号を呼び出し……ごくりと息をのむと私は番号をタップした。
何回目かのコールの後、おばさんが電話に出た。亮平の家の電話はナンバーディスプレイ登録をしてあるので、この電話が誰からなのかすぐに分かったようだった。
『もしもし、鈴音ちゃん?』
スマホからおばさんの声が聞こえてくる。
「あ……こんにちは、おばさん」
『こんにちは。身体の具合はどう? どこか痛むところとか無い?』
「はい、今のところ大丈夫です。それで昨夜、亮平帰ってきましたか?」
『え? 帰って来たかって? ええ、帰って来たわよ。でも随分遅かったわねえ……残業だったみたいよ? 23時頃に帰ってきたから』
「23時……」
どうしよう……そんなに帰ってきた時間遅かったんだ。ひょっとしてあの後、川口さんともめたのかな? 自分であの2人を置いて部屋に帰ってしまったことに罪悪感を感じてきた。
『まあ、亮平の事は別にいいわ。何せ最近忍ちゃんと会っていないようだから』
「え……?」
私はおばさんの話に耳を疑った――