本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第13章 23 涙の再会
「加藤さん、もうすぐ自宅に到着しますけど大丈夫ですか?」
さっきから私が黙ったまま助手席に座っているのを気にかけてくれたのか、服部さんが声をかけてきた。
「は、はい! かなり緊張していますけど……大丈夫です」
声が若干震えていたけども、そこは気づかれなかったようだった。
「そうですか。たしか加藤さんのご自宅にはガレージがありましたよね? 車が普段から置かれていないようなのでそちらに駐車させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫です。亡くなった両親が車を運転していたのですけど、私も姉も車は運転しないのでずっと空きスペースになっているので、どうぞお使いください」
「ありがとうございます」
服部さんはハンドルを右に切ると、そこはもう懐かしい我が家だった――
車をバックで駐車すると、服部さんと私は車から降りた。
「それではこれから忍さんと会って話を聞いてきますね。もし忍さんが加藤さんと会うことを承諾すれば呼びに来ますので、とりあえずは門の外でお待ちください」
「はい、お願いします」
服部さんは会釈すると玄関へと向かって行った。私はドキドキしながら門の外からそっと気配を伺っていた。
ピンポーン
玄関の呼び鈴の音がする。服部さんがインターホンを押したんだ。
――ガチャリ
私の位置から家の様子はうかがえないけれども、玄関のドアが開く音が聞こえた。
2人は何か会話をしているのだろうか? 時折風に乗って会話らしき話し声が聞こえてくる。……一体、どんな話をしているのだろう?
バタバタバタバタ……
少し待っていると、誰かがこっちへ向かって走ってくる足音が聞こえてきた。
そして次の瞬間――
「鈴音ちゃんっ!」
「?」
驚いて門から顔をのぞかせると、そこには七分袖のニットのTシャツにスカート姿のお姉ちゃんが息を切らせながら目の前に立っていた
私は目の前の光景が信じられずに、お姉ちゃんを見つめた。すると、次の瞬間……。
「鈴音ちゃんっ!」
お姉ちゃんの両目に涙がブワッと溢れ、次の瞬間私は強く抱きしめられていた。
「お姉ちゃん……?」
私は訳が分からず、戸惑っているとお姉ちゃんは私を抱きしめてまるで子供の用に泣きながら謝ってきた。
「ごめんなさい……本当にごめんなさい……私、今まで鈴音ちゃんに酷い事ばかりして……。謝って済むことじゃないのは分かっているのに……! そ、それに鈴音ちゃんの交通事故の原因だって私が……っ!」
お姉ちゃんの涙は私の服を濡らし、やがて私もお姉ちゃんの涙に誘われて目じりに涙が浮かんできた。
「お……お姉ちゃん……」
その言葉を口にした瞬間、私の両目から堰を切ったように涙がとめどなくあふれてきた。
「お姉ちゃん……お姉ちゃん……っ!」
そして私とお姉ちゃんはここが外だという事にも関わらず、涙が止まるまで泣き続けた。
そばには戸惑った顔の服部さんが立っていた――
****
「お2人とも、少しは落ち着かれましたか?」
ようやく泣き止んだ私たちに服部さんが声をかけてきた。
「は、はい……」
「お恥ずかしい限りです」
そして2人で顔を見合わせてクスリと笑いあった。
「鈴音ちゃん、顔が真っ赤よ?」
「そういうお姉ちゃんだって……」
するとお姉ちゃんは服部さんを見つめた。
「服部さん。妹を連れてきてくれて本当にありがとうございます」
「いいえ、連絡を先にくれたのは妹さんの方が先でしたから」
「まあ……そうだったんですか? 2人とも、どうぞ中へ入ってください」
そこで私たちは、家の中へと上がった――
さっきから私が黙ったまま助手席に座っているのを気にかけてくれたのか、服部さんが声をかけてきた。
「は、はい! かなり緊張していますけど……大丈夫です」
声が若干震えていたけども、そこは気づかれなかったようだった。
「そうですか。たしか加藤さんのご自宅にはガレージがありましたよね? 車が普段から置かれていないようなのでそちらに駐車させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「はい、大丈夫です。亡くなった両親が車を運転していたのですけど、私も姉も車は運転しないのでずっと空きスペースになっているので、どうぞお使いください」
「ありがとうございます」
服部さんはハンドルを右に切ると、そこはもう懐かしい我が家だった――
車をバックで駐車すると、服部さんと私は車から降りた。
「それではこれから忍さんと会って話を聞いてきますね。もし忍さんが加藤さんと会うことを承諾すれば呼びに来ますので、とりあえずは門の外でお待ちください」
「はい、お願いします」
服部さんは会釈すると玄関へと向かって行った。私はドキドキしながら門の外からそっと気配を伺っていた。
ピンポーン
玄関の呼び鈴の音がする。服部さんがインターホンを押したんだ。
――ガチャリ
私の位置から家の様子はうかがえないけれども、玄関のドアが開く音が聞こえた。
2人は何か会話をしているのだろうか? 時折風に乗って会話らしき話し声が聞こえてくる。……一体、どんな話をしているのだろう?
バタバタバタバタ……
少し待っていると、誰かがこっちへ向かって走ってくる足音が聞こえてきた。
そして次の瞬間――
「鈴音ちゃんっ!」
「?」
驚いて門から顔をのぞかせると、そこには七分袖のニットのTシャツにスカート姿のお姉ちゃんが息を切らせながら目の前に立っていた
私は目の前の光景が信じられずに、お姉ちゃんを見つめた。すると、次の瞬間……。
「鈴音ちゃんっ!」
お姉ちゃんの両目に涙がブワッと溢れ、次の瞬間私は強く抱きしめられていた。
「お姉ちゃん……?」
私は訳が分からず、戸惑っているとお姉ちゃんは私を抱きしめてまるで子供の用に泣きながら謝ってきた。
「ごめんなさい……本当にごめんなさい……私、今まで鈴音ちゃんに酷い事ばかりして……。謝って済むことじゃないのは分かっているのに……! そ、それに鈴音ちゃんの交通事故の原因だって私が……っ!」
お姉ちゃんの涙は私の服を濡らし、やがて私もお姉ちゃんの涙に誘われて目じりに涙が浮かんできた。
「お……お姉ちゃん……」
その言葉を口にした瞬間、私の両目から堰を切ったように涙がとめどなくあふれてきた。
「お姉ちゃん……お姉ちゃん……っ!」
そして私とお姉ちゃんはここが外だという事にも関わらず、涙が止まるまで泣き続けた。
そばには戸惑った顔の服部さんが立っていた――
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「お2人とも、少しは落ち着かれましたか?」
ようやく泣き止んだ私たちに服部さんが声をかけてきた。
「は、はい……」
「お恥ずかしい限りです」
そして2人で顔を見合わせてクスリと笑いあった。
「鈴音ちゃん、顔が真っ赤よ?」
「そういうお姉ちゃんだって……」
するとお姉ちゃんは服部さんを見つめた。
「服部さん。妹を連れてきてくれて本当にありがとうございます」
「いいえ、連絡を先にくれたのは妹さんの方が先でしたから」
「まあ……そうだったんですか? 2人とも、どうぞ中へ入ってください」
そこで私たちは、家の中へと上がった――