本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第14章 1 あの夜の記憶
ピピピピ……
午前7時――
枕元に置いたスマホのアラームで目が覚めると、手探りでスマホを探してアラームを止めた。
「ふう……」
ベッドから起き上がらず、部屋の天井を眺めながらため息をが出てしまった。
亮平との最低な別れ方をしたあの夜から既に数日が経過していた。
「起きなくちゃ……。今日は病院の日だし……」
ベッドからゆっくり起き上がり、タンスから着替えを出した。ニットのゆったりしたTシャツにジーンズに着替えてカーテンを開けてみると、今日に限ってどんよりとした空は今にも振り出しそうな雲で覆いつくされている。
「今にも降りそう。傘持って行かなくちゃ……」
それから朝の支度にとりかかった。
洗濯物を回し、テレビを見ながら朝ご飯を食べ始めた。今朝は久々に和食にしてみた。炊き立てご飯にお味噌汁、納豆に卵焼き、お漬物……。
「うん、やっぱり日本人の朝のメニューは和食が一番かな?」
独り言を言いながらテレビを見ると丁度天気予報をやっていた。
「……本日の天気は、東京は曇りのち雨。お昼頃には本格的に降り出すので傘をお持ちください」
テレビの中では女性気象予報士が話している。
「やっぱり雨か……必ず降るなら折り畳みじゃなくて普通の傘を持って行こう」
ぽつりと呟くと、スマホにメールの着信が入ってきた。
「きっとお姉ちゃんからかな…?」
開いてみると、やはり着信相手はお姉ちゃんからだった。
『おはよう、鈴音ちゃん。今日は病院行く日だったわね。診察が終わったら、どんな具合だったのか教えてね? 病院気を付けて行ってきてね。私がこんなんじゃなかったらついて行ってあげたのに。ごめんなさい』
「お姉ちゃん……」
残りのお味噌汁を飲み干すと、私はメールを打った。
『おはよう。メールありがとう。病院の診察が終わったらまたメールするね』
そして送信すると、食べ終えた食器を台所に運んで後片付けを始めた。
亮平が車の中で怒りだし、最低な別れ方をしてしまったあの夜以来、連絡はピタリと来なくなってしまった。私の方から連絡を入れる気もならず、そのまま週末まで過ごし……週が明けてしまった。
亮平と険悪な関係になってしまった代わりに、お姉ちゃんとの関係は以前とは比べようもないくらいに良好な関係を築けるようになっていた。毎日数回はメールのやり取りをするようになっていたし、もうお姉ちゃんから心無い言葉で傷つけられるようなことも無くなった。
亮平とは仲がこじれてしまったけど、お姉ちゃんと昔みたいに良好な関係を築けるならこのままの状態でもいいのかもしれない。
そんな事を考えながら食器洗いをしていると洗濯が終了のアラームを鳴らした。
「今日は部屋干しをしよう……」
ぽつりとつぶやくと、私は洗面台へ足を向けた。
最近お気に入りのJポップの歌をネットの動画で流しながら洗濯物を干していると、不意にこの間、亮平の車の中で流れた歌と同じものがスマホから流れ始めた。
「あ……この曲は……」
途端にあの日の夜の出来事が頭の中に蘇ってきた。私の言葉で突然怒り出し、涙を浮かべていた亮平。
『お前にとって俺はそれだけの存在なのかよっ!?』
亮平の言葉が頭の中で蘇ってくる。
そんなはずないじゃない。どうしてそんな事言うのよ。私がどれだけ今まで亮平の事好きだったと思っているのよ。今まで一度も女扱いしてくれた事なんかなかったし、挙句の果てには別の男性との交際迄進めてくる……。そのくせ、あんな発言されたら……。
「私に気があるんじゃないかと……勘違いしてしまうでしょう……?」
思わずポツリと声に出してしまった――
午前7時――
枕元に置いたスマホのアラームで目が覚めると、手探りでスマホを探してアラームを止めた。
「ふう……」
ベッドから起き上がらず、部屋の天井を眺めながらため息をが出てしまった。
亮平との最低な別れ方をしたあの夜から既に数日が経過していた。
「起きなくちゃ……。今日は病院の日だし……」
ベッドからゆっくり起き上がり、タンスから着替えを出した。ニットのゆったりしたTシャツにジーンズに着替えてカーテンを開けてみると、今日に限ってどんよりとした空は今にも振り出しそうな雲で覆いつくされている。
「今にも降りそう。傘持って行かなくちゃ……」
それから朝の支度にとりかかった。
洗濯物を回し、テレビを見ながら朝ご飯を食べ始めた。今朝は久々に和食にしてみた。炊き立てご飯にお味噌汁、納豆に卵焼き、お漬物……。
「うん、やっぱり日本人の朝のメニューは和食が一番かな?」
独り言を言いながらテレビを見ると丁度天気予報をやっていた。
「……本日の天気は、東京は曇りのち雨。お昼頃には本格的に降り出すので傘をお持ちください」
テレビの中では女性気象予報士が話している。
「やっぱり雨か……必ず降るなら折り畳みじゃなくて普通の傘を持って行こう」
ぽつりと呟くと、スマホにメールの着信が入ってきた。
「きっとお姉ちゃんからかな…?」
開いてみると、やはり着信相手はお姉ちゃんからだった。
『おはよう、鈴音ちゃん。今日は病院行く日だったわね。診察が終わったら、どんな具合だったのか教えてね? 病院気を付けて行ってきてね。私がこんなんじゃなかったらついて行ってあげたのに。ごめんなさい』
「お姉ちゃん……」
残りのお味噌汁を飲み干すと、私はメールを打った。
『おはよう。メールありがとう。病院の診察が終わったらまたメールするね』
そして送信すると、食べ終えた食器を台所に運んで後片付けを始めた。
亮平が車の中で怒りだし、最低な別れ方をしてしまったあの夜以来、連絡はピタリと来なくなってしまった。私の方から連絡を入れる気もならず、そのまま週末まで過ごし……週が明けてしまった。
亮平と険悪な関係になってしまった代わりに、お姉ちゃんとの関係は以前とは比べようもないくらいに良好な関係を築けるようになっていた。毎日数回はメールのやり取りをするようになっていたし、もうお姉ちゃんから心無い言葉で傷つけられるようなことも無くなった。
亮平とは仲がこじれてしまったけど、お姉ちゃんと昔みたいに良好な関係を築けるならこのままの状態でもいいのかもしれない。
そんな事を考えながら食器洗いをしていると洗濯が終了のアラームを鳴らした。
「今日は部屋干しをしよう……」
ぽつりとつぶやくと、私は洗面台へ足を向けた。
最近お気に入りのJポップの歌をネットの動画で流しながら洗濯物を干していると、不意にこの間、亮平の車の中で流れた歌と同じものがスマホから流れ始めた。
「あ……この曲は……」
途端にあの日の夜の出来事が頭の中に蘇ってきた。私の言葉で突然怒り出し、涙を浮かべていた亮平。
『お前にとって俺はそれだけの存在なのかよっ!?』
亮平の言葉が頭の中で蘇ってくる。
そんなはずないじゃない。どうしてそんな事言うのよ。私がどれだけ今まで亮平の事好きだったと思っているのよ。今まで一度も女扱いしてくれた事なんかなかったし、挙句の果てには別の男性との交際迄進めてくる……。そのくせ、あんな発言されたら……。
「私に気があるんじゃないかと……勘違いしてしまうでしょう……?」
思わずポツリと声に出してしまった――