本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第14章 2 退院後の初の診察
その後、家の家事を済ませて私は病院へ向かった。今日の予定は退院後初めての診察と検査、MRIとCTが入っている。
電車とバスを乗り継いで1時間半ぐらいかけて病院へ到着し、病院に設置されている自動受付機で受付を済ませて整形外科の待合室へと向かった。
「平日なのに混んでるんだ……」
特に整形外科の待合室は混んでいた。空いている席を1つ見つけると受付番号が表示される電子掲示板を見上げてため息をついた。一応予約を入れておいたのに、まだ私の番号が表示されない。困ったな……。眠くならないといいけど……。必死で眠気と戦うべく、持ってきたコミックエッセイの本を読み始めた。
この本は最近ネットで話題になっていたブログに掲載されていた若いOLの日常を描いた4コマ漫画。これが面白くて夢中になって読んでいると眠気も全く襲ってこなかった。
やがて……。
ポーン
電子掲示板の音が鳴り、ようやく私の受付番号が表示された。その間、待つこと45分。良かった……この本持ってきていて。
私は持ってきた本をバッグにしまうと、診察室のドアをノックして中に足を踏み入れた――
****
「どうですか? その後の体調は?」
入院中の主治医だった先生とは別の男性医師が電子カルテを見ながら尋ねてきた。
「そうですね……頭痛や身体の痛みは特にないのですけど……どうしようもない眠気に襲われて突然眠ってしまうことがほぼ毎日あるんです。しかも一度眠れば数時間は目が覚めなくて。これでは日常生活に支障をきたしてしまうので、そこが少し困っているんです。今週中には仕事に復帰する予定なので」
「そうですか。そういえば入院中も同じようなことを話されていますね。とりあえず、予定通り本日、MRIとCTの検査をしましょう。ただ、検査結果が出るのには1週間ほどかかりますので、また来週来ていただくことになります」
男性医師はPCを操作しながら説明する。
「加藤さんの言う眠気ですが、ひょっとするとむち打ち症が原因かもしれませんね。よく交通事故の後遺症で首の痛みや頭痛、耳鳴り。そして眠気を引き起こす人がいるのですよ」
「むち打ち症ですか? 聞いたことがります。でも特に頭痛とか痛みはないですけど」
「人によって症状は様々ですからね。事故のずっと後に後遺症として出る人もいますし。でも急激な眠気に襲われては確かに日常生活に支障をきたしますからね。とりあえず眠気を抑制する薬を処方します。とにかく夜はしっかり眠り、規則正しい生活を心がけて下さい。適度なカフェインも必要ですからね。では薬を処方しておくので検査が終わったら薬を受け取って下さい」
「はい、ありがとうございました」
お礼を述べ、診察室を後にした私はMRIとCTの検査を受ける為に検査室へと向かった――
****
「ふ~疲れた……」
全ての検査を終えて病院を出ると、すでに時刻は午後3時を過ぎていた。それにしても困った。今の今まで気づかなかったけれども、入院費の支払いも、今回の支払いも交通事故扱で私の医療費の支払い額は無かったのだ。
私を事故に遭わせてしまった相手方の保険会社と私の代理人でやり取りをしていたのが亮平だったと事を本日知った。
「亮平……どうして一言も言ってくれなかったのよ……」
バス停でバスを待ちながら思わず口に出してしまった。本当は私から亮平に連絡を入れるつもりは全くなかったけれども、こうなってしまった以上は連絡を取らなければならない。
私はため息をつき、亮平にメールを送った――
電車とバスを乗り継いで1時間半ぐらいかけて病院へ到着し、病院に設置されている自動受付機で受付を済ませて整形外科の待合室へと向かった。
「平日なのに混んでるんだ……」
特に整形外科の待合室は混んでいた。空いている席を1つ見つけると受付番号が表示される電子掲示板を見上げてため息をついた。一応予約を入れておいたのに、まだ私の番号が表示されない。困ったな……。眠くならないといいけど……。必死で眠気と戦うべく、持ってきたコミックエッセイの本を読み始めた。
この本は最近ネットで話題になっていたブログに掲載されていた若いOLの日常を描いた4コマ漫画。これが面白くて夢中になって読んでいると眠気も全く襲ってこなかった。
やがて……。
ポーン
電子掲示板の音が鳴り、ようやく私の受付番号が表示された。その間、待つこと45分。良かった……この本持ってきていて。
私は持ってきた本をバッグにしまうと、診察室のドアをノックして中に足を踏み入れた――
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「どうですか? その後の体調は?」
入院中の主治医だった先生とは別の男性医師が電子カルテを見ながら尋ねてきた。
「そうですね……頭痛や身体の痛みは特にないのですけど……どうしようもない眠気に襲われて突然眠ってしまうことがほぼ毎日あるんです。しかも一度眠れば数時間は目が覚めなくて。これでは日常生活に支障をきたしてしまうので、そこが少し困っているんです。今週中には仕事に復帰する予定なので」
「そうですか。そういえば入院中も同じようなことを話されていますね。とりあえず、予定通り本日、MRIとCTの検査をしましょう。ただ、検査結果が出るのには1週間ほどかかりますので、また来週来ていただくことになります」
男性医師はPCを操作しながら説明する。
「加藤さんの言う眠気ですが、ひょっとするとむち打ち症が原因かもしれませんね。よく交通事故の後遺症で首の痛みや頭痛、耳鳴り。そして眠気を引き起こす人がいるのですよ」
「むち打ち症ですか? 聞いたことがります。でも特に頭痛とか痛みはないですけど」
「人によって症状は様々ですからね。事故のずっと後に後遺症として出る人もいますし。でも急激な眠気に襲われては確かに日常生活に支障をきたしますからね。とりあえず眠気を抑制する薬を処方します。とにかく夜はしっかり眠り、規則正しい生活を心がけて下さい。適度なカフェインも必要ですからね。では薬を処方しておくので検査が終わったら薬を受け取って下さい」
「はい、ありがとうございました」
お礼を述べ、診察室を後にした私はMRIとCTの検査を受ける為に検査室へと向かった――
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「ふ~疲れた……」
全ての検査を終えて病院を出ると、すでに時刻は午後3時を過ぎていた。それにしても困った。今の今まで気づかなかったけれども、入院費の支払いも、今回の支払いも交通事故扱で私の医療費の支払い額は無かったのだ。
私を事故に遭わせてしまった相手方の保険会社と私の代理人でやり取りをしていたのが亮平だったと事を本日知った。
「亮平……どうして一言も言ってくれなかったのよ……」
バス停でバスを待ちながら思わず口に出してしまった。本当は私から亮平に連絡を入れるつもりは全くなかったけれども、こうなってしまった以上は連絡を取らなければならない。
私はため息をつき、亮平にメールを送った――