本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
第14章 5 また恋人同士に
ザーッ……
外は相変わらず酷い雨が降り続いていた。台所ではお姉ちゃんが食器をカチャカチャと洗っている音が聞こえている。
家族のいる気配がする家というのは……こんなに落ち着くものなのかな……。いつの間にか私はソファの上でうとうとしていたようだった。そこへお姉ちゃんの声が聞こえる。
「鈴音ちゃん。眠いんでしょう? ソファの上で横になった方がいいわ」
「う、うん……そうだね……」
言われて一度体を起こすと、お姉ちゃんがクッションをソファの上に置いてくれた。
「ほら、このクッションを枕代わりにするといいわ。ご飯になるまで眠ってていいから。後で起こしてあげるからね?」
優しい声で言われる。
「うん……ありがとう……」
「おやすみなさい、鈴音ちゃん」
「うん、おやすみなさい……」
やっぱり……私はお姉ちゃんのことが……。そして私の意識は深い眠りの底へと沈んだ――
……どこかで人の話し声が聞こえてくる。
「ありがとう、嬉しいな。忍さんに食事に誘ってもらえて……」
あ……これは亮平の声だ……。
うすぼんやりと目を開けると、私が眠っているリビングは明かりが消されて薄暗くなっている。よく見ると身体の上にはタオルケットが掛けてあった。
お姉ちゃんがかけてくてたのかな……?
まだあまり目が覚めない状態で、2人の会話が聞こえてきた。
「……大げさね。亮平君は……どう? レモネードの味は?」
「はい! すごくおいしいです」
亮平の嬉しそうな声が聞こえる。そっか……仕事から帰ってきたんだ……
え……? 仕事……?
そこで私は意識がはっきり覚醒した。やだ! 亮平が来ていたんだっ! ど、どうしよう……寝ている顔を見られてしまったかも。
慌てて飛び起きると、私の起きた気配に気づいたのかダイニングテーブルの椅子に座っていた亮平が声をかけてきた。
「よぉ、鈴音。目が覚めたか?」
「りょ、亮平……。お疲れ様……」
すると亮平がプッと噴出した。
「な、なんだよ……そのお疲れさまって言うのは。会社じゃあるまいし」
亮平は一度家に寄ったのだろうか? Tシャツにジーンズ姿だった。
「だって……他に何て言えばいいか分からなかったから……」
ここは亮平の家ではないし、果たして私の家と呼んでもいいのか判断がつかないんだもの。
「あ、鈴音ちゃん。起きたのね?」
お姉ちゃんが台所から顔をのぞかせた。
「うん……ごめんね。寝ちゃって。今、何時かな?」
「19時20分よ」
「え!?」
お姉ちゃんの言葉に驚いてしまった。確か私が眠ってしまったのは15時半頃……私はまた4時間近くも寝てしまったんだ。
「本当に鈴音ちゃん……まるで死んだように静かに眠っているから心配になって時々息をしてるか確認しちゃったわ」
お姉ちゃんは真顔で言う。
「そ、そうだったんだ……」
「ああ、俺も見たけど、すっごく良く眠っていたな?」
亮平の言葉に反応してしまった。
「え? 亮平も私の寝顔見たの?」
「ああ、見たぞ」
「えっ!?」
ひ、酷い! 眠ってる女子の寝顔を覗き見るなんて……っ! 思わず文句を言ってやろうかと思ったけれどもお姉ちゃんの手前、やめた。だって、お姉ちゃんの記憶には亮平と恋人同士だった記憶が残されていないかもしれないけれど実際2人が恋人同士だったのは事実なのだから。
「どうした? 鈴音。さっきから面白い顔して」
亮平がにやにやしている。
「フフフ……。楽しそうね」
お姉ちゃんのご機嫌な声がキッチンから聞こえてくる。
「何よ面白い顔って……」
そこまで言いかけて思った。お姉ちゃんも亮平もとても機嫌がよくて幸せそうだ。やっぱりお姉ちゃんには亮平が……亮平にはお姉ちゃんが必要なのかもしれない。
私はもう交通事故から目が覚めたし、お姉ちゃんも以前のような元の優しいお姉ちゃんに戻ってくれた。
だったら、2人がまた恋人同士に戻れるんじゃないのかな?
楽し気に話をするお姉ちゃんと亮平を見てそんなふうに思えた――
外は相変わらず酷い雨が降り続いていた。台所ではお姉ちゃんが食器をカチャカチャと洗っている音が聞こえている。
家族のいる気配がする家というのは……こんなに落ち着くものなのかな……。いつの間にか私はソファの上でうとうとしていたようだった。そこへお姉ちゃんの声が聞こえる。
「鈴音ちゃん。眠いんでしょう? ソファの上で横になった方がいいわ」
「う、うん……そうだね……」
言われて一度体を起こすと、お姉ちゃんがクッションをソファの上に置いてくれた。
「ほら、このクッションを枕代わりにするといいわ。ご飯になるまで眠ってていいから。後で起こしてあげるからね?」
優しい声で言われる。
「うん……ありがとう……」
「おやすみなさい、鈴音ちゃん」
「うん、おやすみなさい……」
やっぱり……私はお姉ちゃんのことが……。そして私の意識は深い眠りの底へと沈んだ――
……どこかで人の話し声が聞こえてくる。
「ありがとう、嬉しいな。忍さんに食事に誘ってもらえて……」
あ……これは亮平の声だ……。
うすぼんやりと目を開けると、私が眠っているリビングは明かりが消されて薄暗くなっている。よく見ると身体の上にはタオルケットが掛けてあった。
お姉ちゃんがかけてくてたのかな……?
まだあまり目が覚めない状態で、2人の会話が聞こえてきた。
「……大げさね。亮平君は……どう? レモネードの味は?」
「はい! すごくおいしいです」
亮平の嬉しそうな声が聞こえる。そっか……仕事から帰ってきたんだ……
え……? 仕事……?
そこで私は意識がはっきり覚醒した。やだ! 亮平が来ていたんだっ! ど、どうしよう……寝ている顔を見られてしまったかも。
慌てて飛び起きると、私の起きた気配に気づいたのかダイニングテーブルの椅子に座っていた亮平が声をかけてきた。
「よぉ、鈴音。目が覚めたか?」
「りょ、亮平……。お疲れ様……」
すると亮平がプッと噴出した。
「な、なんだよ……そのお疲れさまって言うのは。会社じゃあるまいし」
亮平は一度家に寄ったのだろうか? Tシャツにジーンズ姿だった。
「だって……他に何て言えばいいか分からなかったから……」
ここは亮平の家ではないし、果たして私の家と呼んでもいいのか判断がつかないんだもの。
「あ、鈴音ちゃん。起きたのね?」
お姉ちゃんが台所から顔をのぞかせた。
「うん……ごめんね。寝ちゃって。今、何時かな?」
「19時20分よ」
「え!?」
お姉ちゃんの言葉に驚いてしまった。確か私が眠ってしまったのは15時半頃……私はまた4時間近くも寝てしまったんだ。
「本当に鈴音ちゃん……まるで死んだように静かに眠っているから心配になって時々息をしてるか確認しちゃったわ」
お姉ちゃんは真顔で言う。
「そ、そうだったんだ……」
「ああ、俺も見たけど、すっごく良く眠っていたな?」
亮平の言葉に反応してしまった。
「え? 亮平も私の寝顔見たの?」
「ああ、見たぞ」
「えっ!?」
ひ、酷い! 眠ってる女子の寝顔を覗き見るなんて……っ! 思わず文句を言ってやろうかと思ったけれどもお姉ちゃんの手前、やめた。だって、お姉ちゃんの記憶には亮平と恋人同士だった記憶が残されていないかもしれないけれど実際2人が恋人同士だったのは事実なのだから。
「どうした? 鈴音。さっきから面白い顔して」
亮平がにやにやしている。
「フフフ……。楽しそうね」
お姉ちゃんのご機嫌な声がキッチンから聞こえてくる。
「何よ面白い顔って……」
そこまで言いかけて思った。お姉ちゃんも亮平もとても機嫌がよくて幸せそうだ。やっぱりお姉ちゃんには亮平が……亮平にはお姉ちゃんが必要なのかもしれない。
私はもう交通事故から目が覚めたし、お姉ちゃんも以前のような元の優しいお姉ちゃんに戻ってくれた。
だったら、2人がまた恋人同士に戻れるんじゃないのかな?
楽し気に話をするお姉ちゃんと亮平を見てそんなふうに思えた――